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2008年07月16日(水) 22時01分

<バスジャック>対応マニュアル作成 バス協会毎日新聞

 少年によるバスジャック事件では、福岡県で00年5月、西鉄バスの高速バスが17歳の少年に乗っ取られ、乗客1人が死亡、5人が重軽傷を負う事件が起きた。この事件後、警察庁は国土交通省やバスの業界団体にバスジャック防止のマニュアル作成や通報システムの整備を要請した。警察庁は愛知県警による捜査を踏まえ、再発防止策がうまく機能していたか検証を始める。

 警察庁は西鉄バス事件後▽乗務員が非常ボタンや車内無線で運行管理センターに通報できるシステム整備▽全地球測位システム(GPS)などを活用し、事件発生時に走行位置が把握できるシステムの整備−−などの再発防止策を文書で要請した。

 日本バス協会(加盟2278事業者)は00年7月、対策マニュアルを作成。「乗客の安全確保を最優先する」などの規定を定め、事件発生時には運転手に緊急連絡装置を作動させるように求めた。

 高速バス全7378台(3月現在)に緊急連絡手段が備わっている。「SOS」など文字が点灯する装置のほか、GPSによる位置確認などが普及。無線センターに緊急事態を知らせる符号を取り決めている事業者もある。だが、関係者は「犯人に不審を抱かれずに緊急連絡するのは難しいかもしれない」と指摘。同協会は「状況に応じた運転手の判断が重要」と話している。

 国交省によると、西鉄バス事件以降、16件のバスジャック事件が発生した。防止には乗客の手荷物検査が有効だが、「ワンマン運行の場合はどうするのか。飛行機と違い、定時運行への影響などを考えると難しい」(国交省安全政策課)。具体的な対策は各事業者に任せられているのが現状だ。【遠山和彦、高橋昌紀】

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