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2008年07月16日(水) 14時46分

東名高速でバスジャック、山口・宇部の中2男子を逮捕読売新聞

 16日午後0時50分ごろ、愛知県岡崎市の東名高速上り線で、JR東海バス(名古屋市中川区)の高速バスから、「刃物を持った男が乗っている」と同社を通じて、県警に通報があった。

 出動した県警のパトカーがバスを見つけ、美合パーキングエリアへ誘導、停止させたうえ、運転手(39)に果物ナイフ(刃渡り約10センチ)を突きつけていた少年を説得し、同1時56分、銃刀法違反と監禁の両容疑の疑いで現行犯逮捕した。乗客、乗員計11人にけがはなかった。

 発表によると、逮捕されたのは山口県宇部市の市立中学2年の少年(14)。少年は、果物ナイフを運転手に突きつけ、「とにかく走れ」などと脅していたという。少年は14日夜から家出中だったといい、調べに対し、「親に怒られた腹いせに、世間を騒がそうと思ってやった。ただ走りたかった」などと供述しているという。

 また、少年は果物ナイフとは別に、刃渡り約12センチのペティナイフを所持し、自らも「バスジャックした」などと携帯電話で110番通報していたという。

 バスは「スーパーライナー18便」(2階建て)で、名古屋駅を正午に出発し、午後6時過ぎに東京駅へ到着する予定だった。客は全員2階部分に乗車していた。

 通報を受けた県警は、岡崎インターチェンジ(IC)の手前2キロの地点で高速バスを確認し、美合パーキングエリアに誘導。捜査員がバスのドアを開けて説得したところ、落ち着いた様子で2本のナイフを荷台に置き、投降した。

 少年は父(42)、母(41)、妹(12)の4人家族。15日未明に自宅を出て以降、行方が分からなかったため、同日昼に両親が山口県警宇部署に捜索願を出していた。宇部市から名古屋市までは新幹線で移動したとみられ、県警で犯行に至る動機や当時の状況などを詳しく調べている。

 この事件の影響で、東名高速上り線は一時、岡崎−音羽蒲郡IC間が通行止めになった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080716-00000029-yom-soci