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2008年07月16日(水) 14時51分

<年金記録>元社会保険庁職員再逮捕へ 貸金業に提供 愛知毎日新聞

 愛知社会保険事務局職員だった男が業者に便宜を図った見返りにわいろを受け取った疑いが強まったとして、愛知県警捜査2課は16日午後、元同職員、服部達郎被告(53)=詐欺罪などで公判中=を加重収賄容疑で再逮捕する方針を固めた。

 調べでは、服部被告は中村社会保険事務室(名古屋市中村区)職員だった04年ごろ、名古屋市内の貸金業者に、国民年金の納付状況の情報などを提供した見返りに現金数十万円を受け取った疑いが強まったという。服部被告はこの業者から多額の借金をしていたとみられ、県警は便宜を図った経緯について追及する。

 当時、服部被告は主任社会保険調査官として同事務室に勤務していた。同事務局によると、主任社会保険調査官は、被保険者の年収や納付状況を調査する役職。事務局が管理する事業所の情報を閲覧できるほか、資料を外部に持ち出すことができるという。

 服部被告は、宙に浮いた別人の年金記録を同姓同名の実父の記録に統合し、老齢年金と遺族年金の計約310万円をだまし取ったとされる。このうち時効になっていない遺族年金計70円分について5月に起訴された。このほか、3月にはフィリピン人女性と偽装結婚したとして、公正証書原本不実記載・同行使の罪で起訴された。現在公判中で、検察側は懲役3年を求刑している。【桜井平】

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