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2008年07月16日(水) 11時52分

携帯とネットと子供の夏休みオーマイニュース

■長い休みが始まる

 今年の夏休みは、近年ではかなり長い夏休みとなる。多くの学校は7月20日を休み開始としているが、その20日が日曜日なので、19日土曜日から休みに突入するからだ。「学校週5日制」は1992年9月から始まったが、最初のころは毎月第2土曜日のみが休みだったため、19日土曜日は終業式にあたっていた。今年は18日金曜日が終業式になる。

 長い休みに入ると、親は子供の行動が把握しづらくなる。特に子供が長じるほど、心配のタネは尽きない。特に最近は、携帯電話、PCを通じて子供にもインターネットが普及している。そのため、子供がこれらの道具を使って事件に巻きこまれたような報道も多い。

 悪意を持つ大人が運営するサイトについては、子供が被害者となる事例が多く報告されている。そればかりではなく、表に出ていない事件や、事件には至らないが、非常にあぶなかった、というケースも多々報告されている。

■半数以上が携帯のフィルタリングを使っていない

 PTA全国協議会が2007年3月に発表した「子供とメディアに関する意識調査」では、いわゆる「出会い系」サイトを実際に利用したことがある小中学生は、全体の2割を超える、と報告されている(サンプリング調査)。「利用したことがある」ということを、子供はほとんど親には話さない、という。

 一方、携帯電話のフィルタリングサービスへの加入は、携帯電話を利用する子供の43%にとどまっている。要するに、半数以上の子供が携帯電話のフィルタリングサービスを使っていなかった。

 PC用のフィルタリングサービスやソフトウエアの導入は3割を切っていると報告されている。

 記者は最近はネットセキュリティに関する仕事にかかわっているのだが、その仕事の合間に、お客様から「いや、子供がトラブルに巻き込まれまして……」という、かなり切実な相談を個人的に受けることがしばしばある。そこではいつでも同じアドバイスをするのだが、それを以下にご紹介する。

■子供に携帯・PCを使わせる場合の注意

1。携帯のフィルタリングサービスには必ず入ることを、子供に携帯を与えた最初から徹底させること。

2。PCのフィルタリングは付属のソフトウエアでもある程度できるので、必ず設定しておくこと。

3。携帯電話やPCの1日の使用時間を限ること。

4。子供の使うPCは必ずデスクトップ型のものを使い、リビングなど親の目の届く範囲に置いておくこと。

5。子供が携帯を使っていないときに、子供の携帯のメールなどは必ず親が見ること。これは親権者として、必要な行為として割り切ること。また、子供に「親は見ている」し「見なければならない」ということをあらかじめ言っておくこと。

6。親がPCや携帯の知識をちゃんと持つこと。そのために勉強をしておくこと。

7。特に夏休みにはGPSによる現在地探索サービスなどが必要な場合がある。設定は面倒だし、お金もかかるが、これには是非加入しておくこと。

   ◇

 社会経験の乏しい子供にPCや携帯などの「大人の道具」を使わせるのは、リスクを伴う。

 前提としては「必要でなければ使わせない」ことがやはり望ましい、とも言えるが、なかなか思う通りにはいかないものだ。「なるべく持たない」としたうえ、「持つことになったらどうするか」も、考えておく必要がある。

 特に記者が強調しておきたいのは、上記のうち6。だ。

 このような世の中で、さらなる不況の深刻化は思いがけない犯罪を多く産んでいる。携帯、PCといった「コミュニケーションの道具」は、まず親が使いこなしてこそ、子供に与えるべきものだ。親がネットなどの知識に疎ければ、子供の危険さえ察知できなくなるかも知れない。ネットはその知識の無い親には見えないところに存在する。

 長い夏休み。親もネットの知識を増やす時間に使ってはいかがだろうか?

(記者:三田 典玄)

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