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2008年07月16日(水) 17時59分

漁業が危ない!食卓から魚が消える?!ツカサネット新聞

燃料費の高騰で漁業が危ない。この5年で燃料費は、なんと5倍になったそうだ。漁獲量は低下しており、漁に出れば出るほど赤字がかさみ、それでも生活のためには、じっとしていられない。

新聞やニュースを見て、そんな漁師の生活の過酷さを知った。15日には、全国漁業協同組合連合会、大日本水産会など主要な16の漁業団体20万隻が、燃料価格の高騰による漁業者の苦境を訴えるため、一斉休漁をした。

そして、18日には、全国さんま棒受網漁業協同組合と道東小型さんま漁業協議会が一斉休漁することに決めたらしい。両団体に所属する244隻すべてが参加する予定だという。

“一斉休漁”ということ自体にとても大きな衝撃と驚きを覚えた。漁師は漁をして生計を立てている。サラリーマンが会社のために働いて生計を立てているのと同じだ。労働組合があってストライキをして窮状を訴えることもある。

これと同じことなのだが、漁師が漁に出ないということは、魚が市場に出ないということだ。市場に出なければ、当然、私達消費者の元へは届かない。食料品が軒並み値上がりし、消費者は頭を抱えているが、それどころではない。肉は買えない、野菜も高い、魚はないでは、食生活が全く変化してしまうことになる。

これでは、いずれ食生活のバランスが崩れ、健康を害することも免れない。考えれば考えるほど恐ろしい事態だ。魚が品薄になり、値段も当然、これから引き上げられるだろうし、消費者自身も食生活を見直す必要に迫られることになる。

これは、日本だけの問題ではない。欧州連合(EU)欧州委員会は、燃料価格の高騰から抗議デモや休漁が続いていることを受け、緊急対策として6億ユーロ、日本円にして約1,000億円規模の漁業支援を行うことを加盟27ヶ国に提案し、支援を受ける漁業者に対しては漁船の省エネ化などを義務付けるという形をとったそうだ。

しかし、日本では、全くそうした取り組みは見られず、相変わらずザル行政で公金の無駄遣いが激しい。燃料に使われる重油がすでに減税されており、安価で提供されていることを理由に何もしないというのも、これまたおかしいと思う。結局、回り回って日本全体に悪影響を及ぼすことになり、ますます政治力を疑われるだろう。

需要と供給の成り立たない世の中で、このまま日本の産業を衰退させてしまえば、ますます輸入に頼らざるを得なくなり、食の衛生問題、偽装問題などがやまない今、魚だけでなく、すべての食糧に対して地産地消の意識を国全体で持つべきだと感じる。食糧自給率にもっと拘っていいのだと思う。いや、もっと拘るべきだと思う。

たぶん漁業だけではなく、農業も工業も商業もすべての産業が様々な物価の高騰で大きな打撃を受けていると思う。そして、消費者も当然のことながら影響を受けている。しかし、それぞれの立場で工夫や努力、我慢も必要だ。今の時代、楽に暮らしていられる人など、どこにもいない。そこを国がどう受け止めるかが大きな問題だ。

世の中は、富裕層だけのためにあるのではない。富裕層は、少々物価が上昇しようがほとんど痛みを感じないだろうが、そうでない生活層の人達は、もうすでに疲弊している。食生活は、人間にとって、生きていく上で最も重要なことである。その根幹が崩れかけているということを国のトップがもっと真剣に考え、いち早く行動を起こして欲しいと思うのである。



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(記者:halfmoon)

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