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2008年07月14日(月) 11時44分

<米国>公的資金注入を検討 政府系住宅金融2社に毎日新聞

 【ワシントン斉藤信宏】米政府と連邦準備制度理事会(FRB)は13日、低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題の影響で深刻な経営不安となり、株価が暴落している政府系住宅金融会社、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に対する緊急支援声明を発表した。政府が、必要に応じて公的資金を注入して両社の資本増強を検討するとの方針を表明したほか、FRBも両社に対して公定歩合での融資枠を設定、資金繰りを支える。

 世界の金融市場への混乱波及を避けるため、東京市場の取引開始前にあたる日曜日の夕方という異例のタイミングでの声明発表となった。これを受けた14日の東京株式市場は声明を好感し、日経平均株価は反発。午前の終値は前週末終値比146円21銭高い1万3185円90銭。

 サブプライム問題に端を発した金融市場の混乱で、米政府とFRBが金融機関の救済に乗り出すのは、3月の証券大手ベア・スターンズに続き2件目。一度は「山を越えた」との観測も出ていたサブプライム問題だが、政府系住宅金融への政府支援の決定で、その影響の大きさが改めて浮き彫りになった。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、両社が保有するか元本保証する住宅ローン関連の証券化商品は約5兆2000億ドル(約550兆円)にのぼるという。両社はサブプライム問題に伴う住宅価格の急落や住宅ローンの債務不履行の多発などで業績が悪化。大手金融機関の4〜6月期決算発表を前に不安定さを増している金融市場で、両社の資金繰りに対する悲観的な見方が台頭し、株価が先週だけで5割も下落した。フレディマックは、14日に資金調達のため30億ドルの債券発行を予定していた。

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