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2008年07月14日(月) 23時27分

震度2なのに緊急地震速報…誤報、帰宅の地下鉄止める読売新聞

 14日夜、実際には震度2だった地震について、気象庁が「最大震度5弱以上と推定」との緊急地震速報を誤って発信するトラブルがあった。

 この誤発信で、都営地下鉄の全線や一部私鉄で走行中の電車が緊急停止した。同庁によると、千葉県銚子市内にある地震計の誤設定が原因で、揺れの瞬間的な強さを示す最大加速度が基準の10分の1で速報が流れるようになっていたという。同庁はなぜ誤設定が起きたか調べている。

 気象庁によると、同日午後7時41分ごろ、茨城県沖を震源とする地震があり、銚子市で震度2を観測した。

 誤報があったのは、鉄道や電力、ガス会社などの「高度利用者」向け速報。高度利用者向けでは、100ガル以上の最大加速度が1か所でも観測された場合に「最大震度5弱以上と推定」と発表することになっているが、今回は最大12ガルだったにもかかわらず速報が流れた。同庁で調べたところ、銚子市内の観測点の地震計が10ガルで速報を出すように誤って設定されていた。

 この誤報で、都営地下鉄では、4線全線で走行中の電車に無線で緊急停止命令を発令。約10分後に運転を再開したが、最大で16分の遅れが出た。都営地下鉄が乗り入れている私鉄各線にも影響があり、京成で最大18分、京急で同10分の遅れが出たほか、東急目黒線、京王線でも一部電車が遅れた。このほか、無人で走る新交通システムの日暮里・舎人ライナーも遠隔操作で車両を約9分間停車。東武鉄道でも走行中の一部電車を2〜5分停車させた。

 気象庁によると、一般向けの緊急地震速報は、2か所以上の観測点で震度5弱以上の揺れが予測された場合に流されるため発信されなかった。

 一方、JR東日本では、独自の地震観測システムと気象庁の緊急地震速報を併用しており、誤報が流れなかったという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080714-00000057-yom-soci