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2008年07月14日(月) 19時00分

山本モナ騒動、そろそろ切り替えたらどうかツカサネット新聞

山本モナがいじられ放題だ。やっとキャスターとして復活できた番組の反省会も出ないで、妻子ある野球選手・二岡智宏とラブホテルに入ったと叩かれている。さらに、公の席での釈明をせず、発覚直後に出した1枚の釈明文では二岡に責任を押しつけたと叩かれている。例のごとく、Web掲示板にはいくつものスレッドが立っている。

東京MXでは、番組中にラブホテルで男女の関係かあったかどうかの生投票まで行う悪のりぶりだ。ヤッたどうかの真実が多数決で決まるわけではない。もとより、公共の電波を使って追及するようなことではないだろう。

経歴や実績に優れたものがあるわけでもない彼女に、なぜ2度もキャスターの声がかかるのか。“札付き”の奔放な彼女が、案の定の騒ぎを起こすことをなぜ事務所は防げなかったのか。ありのままに疑問を抱けば、そこには、芸能界や放送局の抱える様々な事情や問題が出てきそうだが、そこにメスを入れるメディアはほとんどない。彼女を野卑の象徴のようにいじり、また大衆もそこに興奮している。

少し前に、小桜セレナというタレントが話題になったことがある。彼女は、知人男性が住むマンションの玄関ドアを、蹴って壊したという器物損壊が裁判で逆転無罪になった。私はセレナから直接話を聞いたが、彼女の言い分は、メディアが伝える相手の言い分とは180度違っていた。

しかし、芸能マスコミは、もっぱら穴をくぐり抜ける際オッパイはどうなるか、という問題ばかりをフォーカスし、器物損壊にいたるまでの事実経過をまじめに取り上げてはいなかった。事件の中身は、彼女にとっては人格すら疑われかねないものであるにもかかわらず、だ。要するに、彼女の名誉のためではなく、彼女のおっぱいをネタに卑猥に騒ぎたいばかりにニュースとして取り上げたのである。

どちらのニュースにしても、なぜ、女性の権利を云々する識者や団体が、「女性を卑猥にいじるな」と批判的な声を上げないのか不思議だ。しょせん、芸能事件だからバカにしているのだろう。

芸能ニュースなんて、いつもこんなものである。彼らはその本質や真相真実など関係なく、面白ければいい取り上げられ方をしている。そして、そんな無責任な大騒ぎに熱中しているうち、偽装問題もサミットも忘れ去られ、大衆はいつしか物事の本質を見る眼を鈍らせて行く。

かつて、女剣劇士の浅香光代が、野村沙知代への文句をメディアでばらまいて芸能マスコミが大騒ぎしたのが1999年。その陰で、通信傍受法や国旗国歌法、改正住民基本台帳法など、賛否が大きく分かれる法案がスルスル採決された。2003年に登場したバナウェーブなる白装束のカルト集団は、国会が軍事法制の論議を一区切りつけると消えた。

こういう世の中だ、芸能事件で鬱憤晴らしするのもいいだろう。しかし、そこにはまりこんではならない。モナ騒動。熱中するのもたいがいにしておいたほうがいいのではないだろうか。



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(記者:顰見倣)

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