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2008年07月13日(日) 08時01分

厚労“ネットカフェ役人” サボり丸見え 書き込み、メールに固有記号産経新聞

 厚生労働省で、1日に12万件もの業務と関係ないホームページ(HP)の閲覧が発覚した。“ネットカフェ難民”は、同省が担当する問題だが、多数の職員による業務外のHP閲覧はまるで“ネットカフェ役人”ともいえる状態。「厚労省」という発信者情報が筒抜けのため、仕事の非効率化だけでなく、ネット上に「厚労官僚がサボっている」と教えているようなもの。社会保険庁の職員が業務外で有名人の年金記録をのぞき見た問題や、同省でも20人が利用していた「居酒屋タクシー」に続き、論議を呼びそうだ。

 「夜の残業も長いと仕事と関係ないHPを見てしまう」。厚労省の中堅職員はそう弁明する。

 「職場でネットなんて見ようと思わない」というベテラン職員も「飲み会の約束とか、仕事と関係ない人にもメールを送ることはある。どうせだれもチェックしていないだろう」と、同省のメールアドレスを私的流用しているという。若手職員は私的メールに限ってホームページでメールがやりとりできる「ウェブメール」を使用するという。それでも多くの場合、詳しく解析すれば外部からも厚労省の官用パソコンを使用したものとばれてしまう。

 今月4日午後2時ごろには、あるロックバンドのファンが作ったネット掲示板に「私たちが大好きな○○(バンド名)は、やっぱり最高!!!」と書き込みがあった。官用パソコンからネットを利用すると、閲覧したホームページには固有の記号が残される。同掲示板は記号がそのまま表示される設定で、サボっていることは一目瞭然(りょうぜん)。同様の記号は、民間のブログにも残され、ブログ管理者が勤務中の閲覧を指摘。「税金を返すべきだ」と批判している。

 ITジャーナリスト、井上トシユキさんは「役所が年金や後期高齢者医療で矢面に立たされているのに、仕事をサボって閲覧しているのはあまりにも危機意識がない」と指摘する。

 その上で「誹謗(ひぼう)中傷が掲示板に書かれて訴訟が相次いだ平成14〜15年から、大手企業は厳しく閲覧制限を行った。いまだに野放しとなっていたとは、時代錯誤も甚だしい」と、同省の管理体制も批判している。

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