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2008年07月12日(土) 11時12分

世界各地でiPhone現象、スマートフォン需要は一段と加速へロイター

 [東京/ウェリントン 11日 ロイター] 米アップル<AAPL.O>の携帯電話端末「iPhone(アイフォーン)3G」が11日に20カ国・地域以上で一斉に発売され、ショップ前には徹夜組を含む行列ができるなど熱狂的に受け入れられた。
 現地時間11日午前零時1分に世界に先駆けて発売されたニュージーランドで、最初にアイフォーン3Gを手に入れたのは22歳の学生ジョニー・グラッドウェルさん。世界第1号ユーザーとなるため真冬の屋外で60時間近くも待ったグラッドウェルさんは「充電してちょっと試してみて、ゆっくり眠ることにする」と語った。
 ニュージーランドでは、アイフォーン3Gを販売するボーダフォン<VOD.L>の店舗前に数百人が並び、音楽とともにカウントダウンも行われた。
 アップルは今回の新型アイフォーンの投入により、韓国サムスン電子<005930.KS>や台湾の宏達国際電子<2498.TW>、フィンランドのノキア<NOK1V.HE>といったメーカーが競争を繰り広げながら急拡大するスマートフォン需要を取り込む狙いがある。2007年6月に発売された初代アイフォーンは、数日間で27万台が売れた。
 JPモルガンのアナリスト、チャールズ・グオ氏は「アイフォーン現象はスマートフォンの普及を促進するだろう。iPod(アイポッド)がMP3プレーヤー業界を変えたように、状況を一変させる」とみている。
 アナリストらは、新型アイフォーンのユーザーは年内に世界全体で最大1050万人になると予想。旧型アイフォーンは約600万台が使われており、2008年末までに1000万台を販売するというアップルの目標は達成確実とみられている。
 日本ではソフトバンク<9984.T>の子会社、ソフトバンクモバイルが11日午前7時から販売を開始。1500人以上が1キロ超にわたって並んで新製品を求めた。
 昨年に欧米で発売されたアイフォーンは、画面に触れて操作するタッチパネルを備えインターネットが利用しやすいとして関心を集めていたが、アジアでは高速通信に対応したアイフォーン3Gによって初めてユーザーの手に届いた。
 ソフトバンクの孫正義社長は「本当の意味で、携帯がインターネットマシンになる歴史的な記念すべき日」などとコメントした。
 モルガン・スタンレーは、先月にアップルの目標株価を185ドルから210ドルに引き上げた。パイパージャフレイは、来年には4500万台が売れると予想している。
 一方、アナリストの間では、アイフォーンがワンセグやおサイフケータイに対応しておらず、日本の携帯電話市場で人気を持続できるかどうかについては懐疑的な見方も多い。また、中国や東南アジアでは、コピー品やアンロックされたアイフォーンが多く出回ることも予想されている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080712-00000172-reu-bus_all