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2008年07月12日(土) 10時16分

<iPhone>発売 旋風、日本でも? 「割高料金」どう評価毎日新聞

 米アップルの新型携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」が11日、日本で発売された。国内の携帯市場は総契約数が1億件を超えるなど、飽和状態に近づいている。米国発の世界的な人気商品が日本で旋風を起こすことができるのか。

 昨年6月に米国で発売されたアイフォーンは、3・5型の大画面を指で触って操作するタッチパネルが好評で、デジタル音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」を組み込んだことから、5月末までに世界で約600万台売れた。

 日本で発売された新型の3Gは、インターネットをより高速で閲覧できるよう機能を強化。発売初日の購買客は、ネットでゲームや音楽を楽しむ若者が中心だった。

 アイフォーンの販売価格は2年間の新規契約を結べば、記憶容量8ギガバイトの機種が2万3040円。ソフトバンクモバイルが1台あたり4万5000円強を負担し、値引きする。ソフトバンクの孫正義社長は「目先は赤字だが、長期的にみれば利用料できちんと収益が出る」と説明している。

 月額使用料は、基本料や通信料などで最低7280円で、2年間の支払総額は少なくとも20万円前後となる。5万5000円前後のNTTドコモの最新機種を購入し、同様のサービスを利用した場合より支払総額は、約2万円割高となる。

 NTTドコモの山田隆持社長は「ネットを多用する若者らにはよい商品だが、ワンセグ機能がないうえ、料金が高い」と話す。

 KDDI幹部も「支払総額が高く、雪崩を打ってアイフォーンに向かうとは考えにくい」と静観の構えだ。

 通信業界関係は「国内メーカーがアイフォーンに刺激を受けている。日本でも斬新な端末や新サービスが生まれる可能性がある」と、市場の活性化を期待する声もある。【前川雅俊】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080712-00000010-maiall-bus_all