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2008年07月11日(金) 16時02分

下関駅通り魔事件 被告の死刑確定へ…最高裁が上告棄却毎日新聞

 5人が死亡、10人が重軽傷を負った山口県下関市のJR下関駅通り魔事件(99年)で、殺人罪などに問われた運送業、上部(うわべ)康明被告(44)に対し、最高裁第2小法廷(今井功裁判長)は11日、上告を棄却する判決を言い渡した。1、2審の死刑判決が確定する。小法廷は「何一つ落ち度のない駅利用者らを無差別に襲った極めて悪質で残虐な犯行。社会に与えた衝撃も大きく、死刑を是認せざるを得ない」と述べた。

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 弁護側は「被告は社会に迫害されてきたとの妄想に支配され、心神喪失状態だった」と無罪を主張し、責任能力が争点だった。1、2審では精神鑑定が計3回実施され、うち1回は妄想性障害で責任能力は限定的と鑑定したが、1、2審判決は他の鑑定を採用して、完全責任能力があると判断していた。小法廷も「1、2審の判断は相当」と追認した。

 判決によると、上部被告は仕事や妻との関係が思い通りにいかず、将来に失望して自暴自棄になり、自殺を考える一方で、そうした状況に陥れたのは社会や両親であると思い込み、社会や両親に衝撃を与えるために多数人を道連れにする無差別殺人を計画。99年9月29日夕、レンタカーで駅コンコースに突っ込み、7人を次々にはねて2人を殺害。車を降りて階段やホームにいた8人を包丁で襲い、3人を殺害した。

 遺族や被害者は上部被告と両親、JR西日本に賠償を求め提訴したが、被告のみに約1億7200万円の賠償を命じた判決が確定している。【北村和巳】

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