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2008年07月11日(金) 13時13分

『Gmail』がスパムの温床に?japan.internet.com

主要な無料 Eメールサービスが発信源のスパムに関する調査で、スパム業者が好むのは、一般消費者と同様に Google のサービス『Gmail』だということが明らかになった。

Eメール フィルタリング技術会社 Roaring Penguin Software が9日に発表した調査報告によると、6月13日から7月3日までの3週間に、Google のサーバーから発信された Eメール全体の中でスパムが占める割合は、6.8%から27%に急増したという。一方、Yahoo! と Microsoft のサーバーから発信されるスパムの割合は、同期間中に2%から4%とわずかな増加に留まったという。

Roaring Penguin は、Gmail 由来のスパム発信が急増した理由について、『CAPTCHA』が破られたためだととしている。CAPTCHA は、プログラムによるアカウントの自動取得を防ぐテスト手法で、Web サイトのユーザー登録で用いることが多い。具体的には、人間なら読み取れるが、機械的に読み取ることが難しい形式で文字列を表示し、その文字列を入力させることで、人間とプログラムを見分ける仕組みだ。

Gmail の場合、自動プログラムによる Eメールアカウントの大量取得を阻止する目的で CAPTCHA を用いている。だが Roaring Penguin の CEO 兼 CTO を務める David Skoll 氏によると、スパム業者たちは Google の CAPTCHA を読み取れるほど賢い OCR スキャナを開発済みで、アカウント取得手続きをプログラムに実行させ、スパム発信用の Eメールアドレスを Gmail 上に作成しているという。

以前 Google の広報担当は、取材に対する Eメールの中で、CAPTCHA を破ろうとする動きがあることを同社が認識しており、スパムを発信した Gmail アカウントを無効にしていると述べていた。

Roaring Penguin の今回の調査報告に関して Google に改めてコメントを求めたところ、同社広報担当は次のような声明を示した。「スパム業者たちは、可能な限りあらゆる手段を用いてスパム送信を試みるものだと、当社は理解している。当社が強力なスパム対策の取り組みを行なっているのも、それ故だ。われわれは、そうしたアカウントを即座に無効化しており、今後もそれを続ける」

Skoll 氏は、仮に Google が CAPTCHA に手を加えることで対抗しても、再びスパム業者たちがあっさりと破ると考えている。

Skoll 氏は取材に対し、次のように語った。「スパム業者たちには、スパムを発信し続ける金銭的な動機がある。そのため彼らには、Google の CAPTCHA を破り続けることに対しても金銭的な動機があるということになる。たとえ Google が非常にクラックの困難なものを考えついたとしても、スパム業者たちはそれを打破する可能性がある」

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