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2008年07月11日(金) 00時00分

女性も安心、管理型サイト読売新聞

 女性向けのインターネット掲示板や投稿サイトが花盛りだ。「ネット版悩み相談」や「井戸端会議」の役割を果たしているとされるが、中でも、投稿内容が事前にチェックされる「管理型」が脚光を浴びている。人気の秘密はどこにあるのだろう。

健全なサイトに利用者集まる傾向

 最近、話題を集めている人気の女性向けサイトを調べてみると、会員制であったり、事前チェックが行き届いたものが多い。

 ベネッセコーポレーションの「ウィメンズパーク」は、出産や子育てに関するQ&A型の掲示板だが、女性限定の会員制を採用。「会員登録時にはがきで本人確認」「毎日すべての発言をチェック」——などを徹底しているという。

 「つくれぽ」は、レシピ投稿サイト「クックパッド」の人気コーナー。投稿されたレシピをもとに、実際に料理を作った人たちが感想を書き込む。このサイトでは、基になったレシピの投稿者の承認を事前に得る仕組みを採っている。

 読売新聞社が開設している「発言小町」=写真=も管理型だ。編集部ですべての投稿を事前チェックし、中傷や虚偽とわかる書き込みは掲載しない。編集部は「投稿サイトにありがちな荒れた雰囲気になったり、話題が大きくそれたりしないことが支持されている」と分析する。

 発言小町は今年5月、パソコン版と携帯電話版を合わせた月間の閲覧総数が1億PV(ページビュー)を超えた。「男女」「子供」「健康」など10ジャンルに分かれた掲示板で、多彩な話題を巡り、1日平均3000件以上の書き込みがある。

 「両親を亡くした親類の子供を引き取りたい」「夫の実家と折り合いが悪くて、帰省が憂鬱(ゆううつ)」といったシビアな相談もあれば、「ガイダンスを社交ダンスと勘違いしていた」など、笑える失敗談も。投稿者の約8割が20歳代後半から40歳代の女性で、「親身な助言などが多い」との評や、「管理されているために、内容が下品にならず信頼できる」との声が寄せられている。関心の高い書き込みは本にまとめられ、この秋、「発言小町」として竹書房から出版される予定だ。

 不特定多数が参加するコミュニティーサイトでは、名誉棄損や中傷につながる書き込みも避けられない。最近は、問題のある書き込みを監視する専門の会社も登場しているという。

 消費者のネット利用について詳しい野村総合研究所の松本崇雄・主任コンサルタントは「掲示板や投稿サイトは、健全さを目指すものと書きっ放しにするものに二極化しているが、前者に利用者が集まる傾向にある」と指摘する。

 ネットの世界も、「安全、安心」がキーワードになりつつあるようだ。

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20080711nt02.htm