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2008年07月10日(木) 18時15分

名馬の原点、笠松競馬場存続の危機オーマイニュース

 あのオグリキャップなど名馬を排出してきた岐阜県にある笠松競馬場が存続の危機に立たされている。

 すぐ目の前には名鉄電車が走り、競馬場敷地内には田んぼや墓があり地方競馬ならではの雰囲気をかもしだしている競馬場である。近年の競馬人気低迷で来客数が減少の一途をたどり、岐阜県地方競馬組合と土地地主間での土地施設賃貸借問題などでさらに存続の可能性が危ぶまれている。

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 地方競馬を含む公営競技は長年にわたり地方自治体の貴重な収入源となってきた。しかし、バブル崩壊以後の不況や、一般大衆のギャンブル離れ、レジャーの多様化、ギャンブルも同然の存在であるパチンコ産業や株式相場との競合など、さまざまな要素が原因となって収益が悪化していった。

 競馬場の廃止によって、考えてもいなかった場所での影響や混乱が発生する事も少なくない。

 例えばある地方競馬場の近隣地域で馬糞(ばふん)を材料とした栽培用肥料の確保ができなくなりマッシュルームを栽培していた農家が栽培の断念に追い込まれる事例もあったという。競馬場の廃止が地域に及ぼす余波は、表から見える、競馬場内の人間の雇用、生活などの問題だけではなく、その競馬場の存在が支えていた周辺の環境までも大きく変えてしまうのである。

 かつての競馬人気を支えてきた競馬場が時代の流れと共にまたひとつ無くなっていくのだろうか。

(記者:宮田 幸司)

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