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2008年07月10日(木) 17時56分

選手それとも監督? 呼称「〜ジャパン」に見る主役観オーマイニュース

 岡田武史監督率いるサッカー日本代表は、今年9月から、2010年南アフリカワールドカップ(W杯)のアジア地区最終予選に挑む。

 最近では日本代表人気も停滞してきた感があるが、W杯出場が近づけば、おそらくこれまで同様の盛り上がりを見せるのだろう。

 ところで、そのような盛り上がりをテレビや新聞、雑誌などで見ていて、いつも首をかしげることがある。それは、「ジーコ・ジャパン」「オシム・ジャパン」「岡田ジャパン」などの、監督の名前を前面に押し出した「〜ジャパン」という呼び方だ。

 あるスポーツライターの公式ウェブサイトによると、最近ある小学校で将来なりたい職業のアンケートを実施したところ、アンケート用紙には「プロ野球選手」「プロサッカー選手」「弁護士」「医者」などと並んで、「プロ野球の監督」と書かれていたそうだ。

 このことを知って、強い疑問を覚えてしまった。果たして、野球の本場・アメリカに、ホームランも打てず三振も奪えないプロ野球監督を目指している子どもなどいるのだろうか。

 聞くところによると、日本の40代・50代男性にとって一度はなって見たい職業の1つにプロ野球監督が挙げられるのだという。が、身体能力の衰えた中高年の方が抱く夢ならともかく、子どもたちには大きな可能性があるのだから、監督よりも選手を目指して欲しい。

 サッカーの報道で「〜ジャパン」などと、あたかも監督が主役であるかのような報道がなされるのは、おそらく野球の影響だろう。しかし、実際にピッチ上で戦い、国民に希望を与えているのは選手たちだ。マスコミ各社には、ぜひとも「〜ジャパン」という表現をやめ、選手中心のサッカー報道を期待したい。

(記者:水瀬浦 敬一)

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