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2008年07月10日(木) 12時01分

全国一斉休漁:15日、県内1万隻参加へ 水産業者「食文化守れぬ」訴え /宮城毎日新聞

 県漁業協同組合など県内の水産業関係団体は9日、燃料高騰による漁業経営困難化をアピールするために行われる15日の全国一斉休漁について、県内の漁船約1万隻が参加すると発表した。県漁協の木村稔経営管理委員会会長らは仙台市内で会見し、「燃料高騰の影響を受けているのはどの業界も同じだが、このままでは日本の食文化を守ることができなくなる」と訴えた。
 一斉休漁は国による緊急対策を求めるため、全国漁業協同組合連合会(全漁連)などが先月、実施を決定。15日にはほとんどの魚種の供給が止まることになる。県内の漁協や魚市場、流通・加工業者の団体も15日は業務を行わず、東京で行われる全国漁民大会に200人を派遣する予定。
 県漁協によると、漁船用A重油の6月の価格は1キロリットル当たり約10万7000円で、半年で6割程度上昇した。一方、魚価は伸び悩んでおり、漁業関係者の収入が大幅に減少しているという。
 会見では、遠洋で操業中の漁船から届いた「燃料を節約するためエンジンを切ったり照明を減らしており、乗組員の安全を十分確保できない状態だ」「魚の供給を外国からの輸入に頼らざるを得なくなる」といったメッセージを紹介。木村会長は「魚価を上げる努力も必要だが、まずは今を乗り切ることが大切」と述べ、一斉休漁の意義を強調した。【青木純】

7月10日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080710-00000021-mailo-l04