記事登録
2008年07月10日(木) 21時06分

<人権救済>強制入院させられた男性3人、日弁連に申し立て毎日新聞

 心神喪失などで不起訴や無罪になった精神障害者に、裁判所が入院・通院を命じる心神喪失者医療観察法を巡り、誤った審判で強制的に入院させられたのは人権侵害として、男性3人が10日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた。代理人の弁護士によると、同法に関する救済申し立ては初めてという。

 申立書によると、3人は北海道と東京都、千葉県の20〜50代。北海道の男性は傷害事件で不起訴になり、審判で都内の施設に入院を命じられたが、決定を不服として争い、抗告審で取り消された。だが、2カ月近い入院で自由を奪われた上、帰宅費用の補償もなく、自己負担を強いられたという。他の2人も入院や鑑定入院を命じられたが、抗告審などで決定が取り消されるまでの間、不当に拘束されるなどの人権侵害を受けたとしている。

 同法は05年7月施行。池原毅和弁護士は「3人のケースは人権侵害のごく一部に過ぎず、法の廃止が必要だ」と話している。【江刺正嘉】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080710-00000123-mai-soci