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2008年07月10日(木) 08時00分

洞爺湖サミット 海外メディア“辛口”の批判産経新聞

 世界の首脳22カ国が参加し過去最大となった主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)。気候変動など重要課題が討議された3日間だったが、海外メディア、地元の洞爺湖町はどう思ったか。

 8日付英紙フィナンシャル・タイムズは、サンリオの人気キャラクター「ハローキティ」に似せた福田康夫首相、ブッシュ米大統領、ハーパー加首相3人の写真に「大人になって」と見出しを付けたNGOの全面広告を掲載。「首脳らは豪華な夕食を食べながら食糧問題を論じ、偽善的だ」と批判をする英字紙も。インドネシアのガトラ誌のアスロリ・カルニ記者は「食料やエネルギー問題は紛争やテロを生み出す。途上国の問題だけではないということを主要国は認識しているのだろうか」と疑問を呈した。

 「サミットの首脳に世界の市民の声を届けようと活動してきた。日本のNGOにとって初めての経験だった」。最終日の9日、「2008年G8サミットNGOフォーラム」の星野昌子代表は総括した。NGOフォーラムの結成は昨年1月。141のNGOが集まり、人権や貧困、開発など問題別に政策提言などを行ってきた。感染症や地球温暖化など問題がグローバル化し、サミットもNGOの声を無視できなくなっており、外務省は取材拠点となる国際メディアセンターに初めて、NGO専用の作業スペースと会見場を設置した。

 洞爺湖町の洞爺湖温泉は、期間中最高2万1000人の警察官や各国政府関係者でにぎわった。ラーメン店主(63)は「スープを2倍多く用意しても、いつもより1時間も早く売り切れる」。洞爺ハイヤーも期間中はタクシー全15台が貸し切り状態で前年同期比10〜15%増となった。

 一方で、観光客相手の土産物店は浮かない表情だ。厳しい警備を警戒して客足がさっぱりになったからだ。銘菓として浸透を期待する「わかさいも本舗洞爺湖本店」は通常の売り上げの半分以下となった。(杉浦美香、田中幸美)

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