アニメなどサブカルチャーをテーマにした作品で世界的に有名な現代美術家村上隆氏側が、作品の転売を一定期間禁止した契約に反し、転売しようとした東京都渋谷区の不動産関連会社に作品の返却と約５００万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴したことが１０日、分かった。提訴は４日付。
原告は、村上氏が代表の会社「カイカイキキ」。訴えられた会社の社長は小林崇央渋谷区議で、小林区議は「訴状を確認してから対応を検討したい」とコメントした。
訴状によると、村上氏側は１月、独自の花のキャラクターが描かれた円形のアクリル画「フラワーボール ブラッド（３−Ｄ）Ｖ」（直径１・５メートル）を約６８００万円で小林区議の会社に販売。
１０年間、転売しないという条件で契約を結んだが、小林区議はロンドンで６月に開かれる競売大手クリスティーズのオークションに出品した。
これに気付いた村上氏側の申し立てを受けて、東京地裁が譲渡禁止の仮処分を決定したため、出品は取り下げられた。