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2008年07月10日(木) 03時11分

ライブドア、所得隠し9億円指摘…粉飾決算の架空取引で読売新聞

 ライブドア(LD)から社名変更した「ライブドアホールディングス」(東京都港区)が、LD事件公判で粉飾決算と認定された取引を巡り、東京国税局から約9億2000万円の所得隠しを指摘されたことがわかった。

 また別の企業の買収に伴って計上した費用も経費と認められず、同社の申告漏れ総額は2006年9月期までの4年間で約23億6000万円に上った。

 追徴税額は重加算税を含めて約8億7000万円になる見込み。同社は既に修正申告し、法人税と地方税計約10億円を納付した。

 同社の説明や公判記録によると、LDは04年9月期、買収予定だったサイト運営会社「キューズ・ネット」を含む2社の預金など約15億8000万円を自社の売り上げに不正計上する手口で決算を粉飾した。

 この架空取引でキューズ社からLDに売上代金として入金された約9億2000万円について、同国税局から「LDに対するキューズ社からの寄付金にあたる」と認定され、最終的にキューズ社を買収したLD側が課税されることになった。

 またLDは、01年〜02年に買収や事業統合で合併した5社の営業権(のれん代)を償却したとして、その費用約10億円を経費として処理したが、同国税局から「税法上、経費処理が認められる合併のケースにはあたらない」と指摘されたという。

 LD事件では、決算を粉飾したとして、法人としてのLDなど2社と堀江貴文元社長(35)ら7人が、旧証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載など)の罪に問われ、07年3月に有罪判決を受けた。LDは罰金2億8000万円が確定したが、堀江元社長ら4人は控訴している。

 ライブドアホールディングス広報・IR部の話「国税当局の指摘を厳粛に受け止めている。法令順守と信頼の回復に努めたい」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080709-00000073-yom-soci