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2008年07月09日(水) 16時47分

24時間営業、女性専用も。仕事にも勉強にも効く「レンタル自習室」事情ダイヤモンド・オンライン

 資格試験や昇進試験、キャリアアップの勉強に励みたいが、集中できる場所がない。そんな悩みを持つ方にお勧めしたいのが、有料のレンタル自習室だ。

 サービス自体は数年前から存在するが、現在では「24時間利用可」「女性専用」などの多様化が進んでいるという。図書館や喫茶店と異なり、夜遅くまで営業しているケースが多く、周りの喧騒を気にする必要もない。実際に、どれほど活用できるものなのか、さっそく足を運んでみた。

 お邪魔したのは、名古屋にある「アットスペース」。元SEの中井和博氏が1年ほど前に起業したレンタル自習室だ。会員数は約200名。フロアには25席が整然と並び、しんとした空気に包まれている。平日の午前中にもかかわらず、いくつかの席はすでに埋まっている様子だ。

 同施設の特徴は、やはりIT周りのきめ細やかさ。とりわけ、レンタルPCのユーザープロファイルをサーバー側で一元管理している点は、元SEならではこだわりが光る。これは、会員IDとパスワードでログインすることにより、いつでもどのPCを使っても、各ユーザー専用の画面が表示される仕組み。このため、過去に自分が使用した際の入力履歴などを、別の利用者に見られる心配がない。

 昔と違い、今どきの学習にPCは必須。自宅や会社にいるのと同じ感覚で、安心してPCを使える利点は大きい。中井氏本人がシステムを組みあげているので、利用者の要望に合わせたフレシキブルな対応ができる点も強みだ。筆者も2時間ほど利用してみたが、周りの皆が集中して勉強していると思うと、自ずと作業にも身が入った。

 一方、「予想以上のご好評を頂いています」と語るのは、女性専用の自習室「ルシール」を運営する三浦直美氏。「こんな小さな部屋で名前も知らない男の人と二人きりになったら、女性のお客さんは不安に思うかも」という友人の一言で、女性向けに特化することを決断した。指紋認証によるオートロックを導入するなど、学習者が「安心、安全で余計な神経を使わず勉強に集中できる」環境づくりに配慮しているという。近く2号店もオープンする予定だ。

 両者に共通するのは、利用者との対話を重視している点。

「DVD教材を使った学習やオンライン講座の受講など、現代の学習スタイルは様々。そうしたなかで、思いがけない利用法をお客様の側から教えていただくことは多いです」(アットスペース 中井氏)

「夏場の冷房は低すぎないように温度設定をしています。一般のオフィスは冷房が効きすぎて女性にはこたえる、という声を頂戴したからです」(ルシール 三浦氏)

 都市部では乱立傾向にあるというレンタル自習室。単に空間を貸すだけではなく、運営者がユーザーの声に真摯に耳を貸してくれるかどうかも、利用する上での大きなポイントといえそうだ。

(中島駆)

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