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2008年07月09日(水) 11時58分

嘘の119に手をやく横浜市消防局オーマイニュース

 救急搬送でトリアージ(緊急度・重症度の識別)が導入される程救急体制が逼迫しているなか、虚偽の119番通報が後を絶たないらしい。(トリアージについて参照:119番しても救急車がこないかも!?)

 7 月8日付の神奈川新聞が、「うその119番繰り返し、60歳の男が消防法違反(虚偽通報)で逮捕」されたと報じている。深夜、自宅近くをうろついていたのを近くに住む男性から注意されたことに腹を立て、男性の自宅近くに消防車や救急車が来るように虚偽の通報をし続けていたという。

 消防車か救急車かは別にしても、事故や事件、火災、はたまた憂さ晴らしのために出動する姿を見て喜ぶ輩がいるとすれば由々しきことである。本来の救急出動に支障となり、助かる命も助からない事態が懸念される。そして、莫大な労力と経費の損失である。

 横浜市安全管理局によると、2007度の119番通報は約23万件。そのうち、いたずらや嘘の通報は約3700件にも上るという。平均すると毎日10件が虚偽通報ということになる。これに振り回される当事者のご苦労は並大抵なことではない。

 救急車を例にとると、1回の救急車出動にかかる経費を約4万円と試算すると、虚偽通報を単純に計算すれば、年間1480万円となる。そのすべては税金でまかなわれる。こんなにも無駄な経費が使われていることになるのだ。また消防車と救急車の同時出動も多く、その費用は計り知れない。

 火事場を見て喜ぶ人の話は昔からよくあったことだが、当時は通報者の特定が難しく、取り締まりは困難を極めたという。

 現在、通信技術の発達により固定電話のみならず携帯電話からの通報でも特定できるようになった。こんな不遜な通報者を野放しにしておく手はない。どんどん摘発し、厳罰を課して欲しい。

 救急車両の有料化検討以前の問題として、刑事罰を含めた断固たる措置を行うべきである。

(記者:宮本 聰)

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