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2008年07月09日(水) 12時00分

やっぱりサーバーって寒い国に置いた方がいいの?R25

暑い季節ですが、PCからはきだされるアツ〜い熱風に萎えてしまうことはありませんか? PC1台でもかなりの熱を出すのに、多くのネットユーザーからのアクセスが集中するサーバーってものすごい熱を出しそうですね。サーバーの熱対策について、「ロリポップ」などのレンタルサーバーサービスを提供しているpaperboy&co.の技術責任者、宮下さんに伺いました。

「サーバーは大量の熱を発しますので、ファンなどを利用して冷却します。室内が暑いと故障の原因になるので、室温は20度ぐらいに保たれております。サーバー維持費の大半は、この冷房費に費やされますね」

サーバーの管理費の大半が冷房費ってオドロキです…。

でも、そもそも寒い国とか地域に設置すれば、サーバーの熱問題って簡単に解決するのでは? と思っていたところ、こんなニュースを発見。雑誌『クーリエ・ジャポン』の公式ブログによると、グーグルなど世界的なネット企業は、サーバーを管理するデータセンターの中心拠点を気温が低いアイスランドに建設するかも…と書かれていたのだ。やっぱこれからのIT産業は寒い地域に限る!ってことなのかしら? 『Googleを支える技術』(技術評論社)の著書である西田圭介さんに聞いてみた。

「うーん、どうでしょう。実は、グーグルがアイスランドにデータセンターを移すという公式な発表はありません。そもそも、電力やネットワークには限りがあるので、いきなりデータセンターをアイスランドに集中させることは不可能でしょうね」

がーん!! そうだったんですね。で…でも、熱問題を考えると、サーバーは寒い国に集中させたほうがいいのでは?

「今のデータセンターは外の空気を入れて冷やしているわけではないので、必ずしも寒い地域がいいとは限りません。巨大なデータセンターに向いている場所の条件は、第1に電力が安くて安定していること、第2に光ファイバーが整備されていること。現在のグーグルのデータセンターは欧米に集中しています」

なるほど。そもそもデータセンターにはどのぐらいの土地と電力が必要なんですか?

「グーグルの一番大きなデータセンターは、広さはサッカーグラウンド2つ分ほどで、日本の一般家庭10万世帯分ぐらいの電力を利用していると思われます」

ちなみに、グーグルは電力削減のため、技術開発やクリーンエネルギーについて研究開発しているベンチャーに出資しているそうだ。普段何気なく使っているインターネットだけど、サーバーの熱問題を解決するために、巨大企業のなかでもアツ〜イ議論が日々交わされているのかもしれませんねぇ。
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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