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2008年07月09日(水) 08時02分

【Re:社会部】死刑、堂々と情報公開を産経新聞

 鳩山邦夫法相が就任して約10カ月。その間、13人の死刑が執行されました。ほぼ2カ月おきの間隔で4回と、定期的に執行が続いています。

 報道機関の中には「死に神」などと法相の姿勢を揶揄(やゆ)する向きもありますが、死刑は法に定められた規定です。鳩山法相はそれに基づいて淡々と職務をこなしているととらえるべきでしょう。逆に死刑を執行しない法相がいたなら、職務怠慢です。

 むしろ、問題は死刑執行までの流れがブラックボックス化している点にあると考えます。刑事訴訟法では死刑確定から半年以内に執行しなければならないと定めているのに、何十年も拘置所で過ごしている死刑囚もいます。再審、恩赦の申請があれば考慮するともありますが、再審申請中に執行された死刑囚もいます。

 確定からどれぐらいの期間で、どんな問題をクリアすれば執行されるのか。執行基準が鮮明でないからこそ、死刑はいわれなき批判を受ける「やましい存在」になっている気がします。

 死刑制度は忌むべき存在なのでしょうか。真に必要なら、法務省は積極的な情報公開で必要性を訴えるべきです。死刑制度を「日陰の存在」としているのは、国家の不幸としか言いようがありません。(法)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080709-00000081-san-soci