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2008年07月08日(火) 17時14分

洞爺湖サミット、外国人記者の3つのオドロキオーマイニュース

 洞爺湖サミットについて、日本では早くから報道されてきたので大体のことはわかっているつもりだが、外国メディアではどのように報道されているのか、インターネットの英米の新聞で G8 Hokkaido Toyako Summit でサーチをかけて記事を調べてみた。

 そこで出てきたのは、彼らが共通して感じている3つのオドロキであった。

 まず第1はこのサミットの費用である。

 ワシントン・ポスト紙は「約2億8300万ドル(=300億円)」、BBCは「約2億8000万ドル(=1億4000万ポンド)」と報じている。2007  年ドイツで開催されたサミットの費用1億8600万ドルを大きく抜いて、これまでのどのサミットよりも高額になったとか。

 この莫大(ばくだい)な費用について、日本の政府や報道機関が何か言及したのを私はまだ一度も聞いていない。

 次は警備である。

 北海道からもっとも遠い沖縄を含む日本中の警察官が集められて、洞爺湖の会議場近辺に2万1000人、東京に2万人と、完ぺきな警備が施されたことに驚いている。海にはミサイル防衛のためにイージス艦を配置し、会場のホテル上空には偵察機が舞い、バイオケミカル攻撃に備えて特別機動隊も出動している。

 各首脳が通過する道路には、カメラと探知機が木の中に隠されて設置され、24時間ヘリコプターが上空を飛んでいる。警官が見回っているのは当然。

 第3は、いわゆるNGOなど、非政府団体や独立系のジャーナリストにはビザ発行の際にものすごく詳細な日程表などを提出させて入国が困難な点。

 空港で入国する際にも厳重な身体検査を受け、どこに行くにも常に検問を受け、まったく自由がない。これが民主主義の国か、と驚いたとか。

 つまり、要人警護・テロ対策として取られた数々の警備が、逆に訪問者の自由を束縛し、彼らを疑いの目で見ているような印象を与えた、ということである。

 そもそも何のためにサミットを開催するのか。日本の国際的地位を高め、国際社会での発言権を強くするのが目的であろう。そのために福田首相に、強いリーダーシップを、とあらゆるメディアが叫んでいる。

 サミットは最後の議長声明だけではない。その始まりから終わりまで、各国首脳からNGOの活動家にいたるまで、開催国としてふさわしいもてなしをし、さすがりっぱな民主国家で世界の指導者たる資格がある、と見なされなくてはならない。その観点から、今回のサミットは、世界からどのような評価を受けるだろうか?

(記者:堀 素子)

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