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2008年07月08日(火) 12時35分

NASA、新型月面車と宇宙服を試験オーマイニュース

 1カ月前の話になるが、米航空宇宙局(NASA)の研究チームは6月2日から6月13日、ワシントン州モーゼズ湖の近くの砂丘で、現在開発中の新型月面車や新型宇宙服などの試験を行った。

 今回、試験場に持ち込まれたのは、新型宇宙服(写真左上)、自律ドリル・ローバー(写真右上)、K10リコナイサンス・ローバー(写真中段左)、新型月面車(写真中段右)、月面ブルドーザー(写真左下)、そして、アスリート輸送ローバー(写真右下)である。

 自律ドリル・ローバーは自動的に月面に穴を開け、調査を行うことができ、K10リコナイサンス・ローバーの2台は、それぞれ地中探知レーダと 3Dレーザーシステムを搭載し、地下構造の探査や、地形図を作成するためのデータを取得する。また、アスリート輸送ローバーは主に宇宙飛行士、ロボット、補給物資などを運ぶために利用され、6本のタイヤを装備し、荒れた路面や急こう配な場所でも走行が可能だという。

 一方、最もユニークなのは、ジョンソン宇宙センターが開発した新型月面車で、2人の宇宙飛行士を乗せることができ、6つの車輪がそれぞれ独立して回転することで、簡単な操作であらゆる方向に走行できる。

 「2020年、人類は再び月に向かい、月での探査を行う。想定できる技術的な問題や月面探査のシミュレーションを実施することが、試験の目的である」

 今回の試験目的について、ジョンソン宇宙センターの試験責任者であるビル・ブルースマン(Bill Bluethmann)氏はこのように説明した。

 2004 年、アメリカブッシュ大統領が新宇宙政策を発表し、NASAは現在新しいロケット「アレス1」と「アレス5」、そして、新しい有人宇宙船「オリオン」を開発している。今回の試験も再び有人ミッションで月に戻るというゴールに基づき行われたもので、NASAは今後も引き続き試験を進める。

 なお、NASAは2013年までに新しいロケット「アレス1」を完成させ、2015年に「オリオン」の国際宇宙ステーションへの初の打ち上げを行い、2020年に月への有人飛行を行う予定となっている。

(記者:新 千尋)

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