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2008年07月07日(月) 11時03分

“iモード創設者”夏野 剛氏、ニコ動の「黒字化担当」へ——ニコニコ大会議2008japan.internet.com

株式会社ニワンゴは2008年7月4日、同社が運営する動画共有サービス「ニコニコ動画(SP1)」のユーザー2,000名を招待し「ニコニコ大会議2008 〜日本の夏、ニコニコの夏〜」(大会議)を開催した。

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大会議では、ニコニコ動画(SP1)の既存機能をさらに強化、本格的バージョンアップを行った「ニコニコ動画(夏)」の機能紹介や、ニコニコ動画に縁のあるゲストを呼んでのディスカッションが行われ、その様子はニコニコ動画にて生中継された。

なお、大会議には株式会社ドワンゴ 社長の小林 宏氏、株式会社ニワンゴ 社長の杉本誠司氏、ニワンゴ 取締役の西村博之氏、そして、7月4日付けでドワンゴの顧問(常任)に就任した夏野 剛氏が登場した。

■ニコニコ動画(夏)の新機能

●「ニコニコミュニティ」
ニコニコ動画の PC 向けサイト内で展開されるコミュニティ機能で、設定されたコミュニティに参加するユーザー間でのみ、動画の投稿・閲覧・コメントすることができる機能。これにより限定したユーザーで動画を閲覧しコメントすることが可能。

ニコニコミュニティは、プレミアム会員のみが開設し、管理者になることができる。管理者は、コミュニティ名・機能の概要・アクセス権限などの設定を行い、メンバーの招待はメールアドレスによる招待か、コミュニティページを訪れたユーザーからの申請を管理者が判断して承認する。

●「ニコニ・コモンズ」(8月中旬サービス開始予定)
ニコニ・コモンズは、クリエイター(著作権者)が作品の権利の一部を開放し、これを明示することで、自己の作品を広めたり他のクリエイターによる新たな創作活動を支援する仕組み。

権利者は、ニコニ・コモンズのサイトに作品をアップロードして登録し、その作品を利用したいクリエイターは利用したい作品を探してダウンロード、登録された作品はニコニ・コモンズサイトのサーバ内において一元的に管理される。登録作品を利用して新たに創作された作品(派生作品)は、ニコニ・コモンズ対応サイトにアップロードして発表したり、再びニコニ・コモンズサイトにアップロードして新たな作品として登録することができる。

なお、ニコニ・コモンズは、API を外部サイトに提供。第一弾は、クルーク株式会社の運営するイラスト特化型 SNS「pixiv」で、「SMILEVIDEO」との間でサービスをまたがった作品の利用が可能になる。対応サイトは随時追加予定。

●「ニコ割アンケート」(7月下旬サービス開始予定)
動画を視聴している全ユーザーに、リアルタイム情報を同時に伝達する「ニコ割」を利用した「ニコ割アンケート」を開始。設問と回答を記したボタンなどが登場し、そのアンケート終了後から一定時間後に結果を表示する動画へのリンクがアナウンスされるというもの。

●その他の機能強化および追加
そのほか、ニコスプリクトの機能を強化、SMILEVIDEO に投稿されている特定の動画を、自分の動画に引用することができる「@BGM」や、動画を一時停止させることのできる「@ポーズ」、動画の閲覧者を設定できる「@ボタン」(6月19日サービス開始)などが追加された。

また、2007年10月に台湾版をリリースしたニコニコ動画海外版だが、今回、視聴プレイヤーが英語に対応、さらに新たな対応言語としてドイツ語、スペイン語が追加された。タグやカテゴリ、SMILEVIDEO も海外対応し、メンテナンス情報やヘルプ情報も各言語で表記することが可能となる。7月中旬より順次対応予定。

■“iモード創設者”夏野 剛氏、ドワンゴ顧問に

当日は夏野 剛氏のドワンゴの顧問(常任)就任を発表。夏野氏は、NTT ドコモの元執行役員で、iモードを立ち上げたメンバーの1人。先月同社を退社し、このたびドワンゴの顧問として就任した。

夏野氏は、大会議にてニコニコ動画とアバターを利用した3D生活空間サービス「ai sp@ce」のコラボレーションを発表。自分のプレイ動画をニコニコ動画にアップロードしたり、ai sp@ce 内に設置されているスクリーンでニコニコ動画を視聴できるものとなっている。今秋開始予定。

夏野氏はドワンゴの顧問就任について、「多くの企業の上場に携わってきたが、ドワンゴだけは昔から変わらない。儲けたお金をどんどん赤字の事業(ニコニコ動画)に注ぎ込んでいく前向きな姿勢が良い」と説明。また、ニコニコ動画については「ニコニコ動画以外に世界を狙えるコンテンツはない。私がニコニコ動画の黒字化担当となり、来期までに黒字化を実現する」と語った。

■MAD 動画を含む著作権侵害動画の削除について

ドワンゴは7月2日、ニコニコ動画内の MAD 動画を含む著作権侵害動画の削除を発表したが、これについてニワンゴ 社長の杉本氏は、「一律に全てを消すといくわけではなく、権利者が削除を求めたものを削除していく。例えば『手書きのものなら問題ない』などあいまいな点も含め、権利者と話し合いながら進めていく」と説明。

また、西村氏(ひろゆき氏)は「MAD が消されること自体はさほど問題ではない。MAD が使えなくなったからといって、これまで動画を作っていた人が動画を作らなくなるわけではなく、使えるもので作っていくだけ。そのためにニコニ・コモンズなども用意しており、権利などもクリアになっていけば良い」と語った。

なお、ニコニコ動画(夏)は夏期での提供となり、2008年秋より「ニコニコ動画(ββ)」がサービス開始予定となっている。

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