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2008年07月07日(月) 09時05分

Viacom に YouTube ユーザーの視聴履歴閲覧を認める判決japan.internet.com

ニューヨーク州南部地区米連邦地方裁判所で2日、メディア大手 Viacom が Google を相手取って起こしていた著作権侵害訴訟の判決が下され、事態は新たな展開を迎えた。

裁判所は Google の異議を認めず、Google は Viacom に「YouTube のサイト上で、あるいは第三者の Web サイトへの埋め込みという形で視聴された YouTube のビデオについて、再生のたびごとに記録されたロギング データベース内のデータをすべて」提供しなければならないとの判決を下した。

Google は2006年に YouTube を買収し、傘下に収めた。

プライバシー擁護団体の電子フロンティア財団 (EFF) はこの決定を批判し、YouTube の各ユーザーの視聴履歴が Viacom の目に触れてしまう可能性があると述べている。EFF の Kurt Opsahl 氏は、Blog への投稿で次のように述べている。

「裁判所の命令は Viacom の要求を聞き入れるものだが、米国のビデオプライバシー保護法 (VPPA) が保証している個人情報の保護をないがしろにしている点で間違っており、YouTube ユーザーがどのようなビデオを視聴したかという非常に個人的な情報を、他人の目に触れさせろと迫るものだ。VPPA は1988年、当時連邦最高裁判所の裁判官に指名されていた Robert Bork 氏のビデオレンタル記録を、新聞が公表したことをきっかけにして成立した。議会も認めているとおり、どのビデオを見るかという選択は非常に個人的なもので、最大限に保護されなければならない」

また、Google の訴訟弁護士を務める Catherine Lacavera 氏からは、以下のような声明が届いた。

「ユーザーの私的なビデオや当社の検索テクノロジに関しては Viacom のアクセスを拒否できるようになっており、裁判所が情報開示に一定の制限を設けてくれたことを嬉しく思っている。しかし、裁判所が Viacom の行き過ぎた要求を聞き入れ、視聴履歴の閲覧を認めたことは非常に残念だ。Viacom には、ユーザーのプライバシーを尊重するとともに、裁判所の命令に従って記録を提出する前に、匿名化させてもらえるよう依頼するつもりだ」

Reuters が入手した声明によると、Viacom は、YouTube に対する訴訟の核心となる著作権侵害行為のパターンを示すデータを必要としているのであって、個々のユーザーを特定することに関心はない、と回答しているという。

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