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2008年07月06日(日) 10時00分

猪瀬都副知事 3年後はやっぱり知事選?日刊ゲンダイ

 4人目の副知事に就任して1年が経過した作家の猪瀬直樹氏(61)。就任時に石原都知事(75)から「国と戦ってくれ」と言われたそうで、この間の言動は都庁内外で物議を醸している。
 ざっと挙げてみると、(1)紀尾井町の参院清水谷宿舎の移転建設予定地について、「緑を守る」(予定地は都条例の「風致地区」で、建設には都の許可が必要)と移転建設に待ったをかけ、自民党都議たちと対立(2)都営調布飛行場を視察した際、騒音に配慮するため都と地元市で「利用は午後5時まで」と定めた飛行制限の撤廃を口にし、調布、三鷹、府中の3市と都の関係がこじれる(3)茨城空港建設は税金の無駄遣いと言い放ち、地元から抗議を受ける——などだ。
「副知事として自覚に欠ける言動」と“イエローカード”を突きつけた自民党都議団も、「都民のため」と一蹴(いっしゅう)した。
 58年ぶりの民間出身の猪瀬氏、副知事4人(残る3人は元都庁幹部職員)の中で最後の就任。しかし、「今年1月下旬にスイスで開催された世界経済フォーラム“ダボス会議”に、石原知事の代理として出席するなど、実質は“ナンバーワン副知事”」(都庁関係者)だ。
 就任当時は“ポスト石原”含みといわれたが、石原知事のハラはまだ決まっていないようだ。ご本人は都知事のイスに色気を持っているのだろうか。
「小泉内閣で道路公団民営化を果たした猪瀬は、国を変える中枢のポストに身を置きたいと思っています。1年生、2年生の国会議員ではそれは無理なので、議員バッジに魅力は感じていません。しかし予算規模約12兆円の都知事のイスは、国を相手にできるし、国の政策を変えることだって可能です。色気は十分あるはず。石原知事がいろいろなところで“猪瀬はいい仕事をしているよ”といったニュアンスの言葉を言ってくれれば、都知事選出馬への基盤づくりになります。もし、出馬するとしても、関係がぎくしゃくしている自民党の推薦はいらないと思っているでしょう」(都庁に詳しいジャーナリスト)
 91年の都知事選以降、自民党推薦候補者はすべて敗北。多くの都民から反発を買っている自民党の推薦はかえってマイナスというわけだ。
 残る任期は3年。都知事のイスにまっしぐらか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080706-00000013-gen-ent