記事登録
2008年07月05日(土) 10時13分

<ウナギ偽装>倉庫の管理会社側に「架空」依頼 魚秀社長毎日新聞

 中国産ウナギの産地偽装事件で、ウナギ輸入販売会社「魚秀」の中谷彰宏社長(44)が今年2月、中国産ウナギを仕入れて徳島市内にある親会社の関連倉庫に保管した際、倉庫の管理会社側に「以降の入出庫の記録は残さないでほしい」と要請していたことが4日、分かった。ウナギはこの後、高松市内で国産に偽装され、同じ倉庫に戻っており、偽装したことを分からなくする工作の一環とみられる。

 魚秀の親会社「徳島魚市場」の吉本隆一社長(65)が明らかにした。

 倉庫は徳島魚市場の関連会社「和幸」が管理しており、徳島市中央卸売市場内にある。当時、中谷社長は徳島魚市場の社員も兼ね、ウナギ取引を一手に扱っていた。

 倉庫側の記録では、今年2月6日から3月18日に「中国産」ウナギ約249トンが徳島魚市場の商品として入庫した。中谷社長はこの際、和幸の担当者に「以降の記録を残さないでほしい」「架空にしてくれ」などと依頼。「今度、別の荷を預けてもうけさせるから」とも話したという。ウナギは2月7日〜3月21日にかけて出庫したが、担当者は手書きのメモしか残さなかった。

 ウナギは高松市内で偽装され、2月11日から順次搬入されたが、和幸側への事前連絡などはなかった。中谷社長は箱の中身を「ウナギ」としか説明せず、荷主を記した送り状も添付されなかったため、担当者は「白ケース」とだけ手書きメモに記した。ウナギは3月4日〜4月16日に出荷され、神戸市の神港魚類へ搬入された。

【関連ニュース】
ウナギ偽装:高松の業者も捜索へ 兵庫、徳島両県警が方針
余録:夏やせと偽装ウナギ
社説:偽装ウナギ 不安につけ込むあくどい手口
クローズアップ2008:ウナギ偽装 つかめない本当の産地
ウナギ産地偽装:マラカイトグリーン検出で 神港魚類社長が謝罪 /兵庫

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080705-00000020-mai-soci