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2008年07月05日(土) 03時07分

私大連盟の前事務局長、不適切支出は4年前から読売新聞

 文部科学省所管の社団法人「日本私立大学連盟」が昨年度、高額な飲食や政治家のパーティー券購入に約3300万円を使っていた問題で、責任を問われて4日午前、解任された同連盟の赤坂雄一・前事務局長(56)は少なくとも4年前から同様の不適切な支出を続けていたことがわかった。

 赤坂前事務局長は月3〜4回のペースで連盟から1回10万〜30万円の現金を持ち出したうえ、スナックなどでの「打ち合わせ」や「懇談会」の支払いにあて、会計処理は後日、自分と派遣社員の2人だけで行っていた。

 同連盟の事務局職員約20人のうち、赤坂前事務局長がどの程度の頻度で、いくら現金を持ち出していたか把握している職員はいなかった。このため文科省は、決裁前の現金の持ち出しをやめ、現金の取り扱いについての規定を整備するよう指導した。

 同省は先月、同連盟の会計実態の調査に入った際、昨年度だけでなく、伝票などが残っていた2004〜06年度分も調べた。

 その結果、料亭やスナックなどでの高額な出費は04年度から続いており、こうした不適切な支出は、06年度も概算で昨年度とほぼ同じ約3000万円あった。

 さらに同省が聞き取り調査をしたところ、赤坂前事務局長は月に数回、スナックや料亭での「打ち合わせ」や「懇談会」を行っており、その支払いは、月3、4回にわけて連盟から持ち出した現金をあてていたことがわかった。連盟には会計担当課長がいたが、赤坂前事務局長はこの課長を通さず、店から受け取った領収書を自分で伝票にはり付け、派遣社員に提出して会計処理していた。

 連盟には、出入金状況を記録する現金出納簿や現金の取り扱い規定もなく、年に一度の監査も形式的なもので、同省は「内部のチェック機能は全く働いていなかった」としている。

 4日付で事務局長代行となった連盟の本田博哉参与は同日夜、「(加盟大学の学長や理事長が務める)理事は皆パートタイムで、会計のことは把握していない。自分もこんなずさんな会計システムとは知らなかった。みんな自分たちの会合がこれほど高額と知って驚いていた」と述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080704-00000072-yom-soci