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2008年07月05日(土) 10時01分

日本人宇宙飛行士“絶大人気のワケ”日刊ゲンダイ

 競争率320倍——。国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する日本人宇宙飛行士選抜試験の応募者が過去最多の963人に上った。19〜55歳の男女が今後、書類選考と3次にわたる選抜試験に挑むが、そもそも宇宙飛行士はなぜこれほど人気なのか。
 宇宙航空研究開発機構の募集要項によると、応募条件は大卒以上で、自然科学系分野における研究などで3年以上の実務経験が必要。ほかに「(水着および着衣で)10分間立ち泳ぎ」「宇宙飛行士チームの一員として円滑な意思疎通が図れる英語能力」「身長は158センチ以上190センチ以下」なんて細かい注文が付く。
「応募者が今回、多かった理由は2つです。ひとつは星出彰彦さんのミッションが報道された時期と募集期間が重なり、注目を集めたこと。もうひとつは従来の郵送に加え、ネット応募を始めたことです」(宇宙航空研究開発機構)
 何とも味気ない理由だが、細かな条件の根拠はあるのか。
「条件は米国の宇宙飛行士訓練で求められる基準です。例えば10分間の立ち泳ぎは、宇宙船が海に不時着した場合を想定しています。身長制限は、現状の宇宙服で他のサイズがないことが理由です」(同機構)
 ちなみに給与は、30歳で月額30万円、35歳で36万円だ。宇宙飛行士になると、本給の37.5%の「宇宙飛行士手当」が付き、さらに実際の搭乗要員に選ばれると、同75%になる。危険手当もなく、年収で700万〜900万円の計算だから、旅客機のパイロットと比べたらチト安い気もするのだが……。
「今のところ危険手当という概念はありません。できれば金銭以外の動機で宇宙飛行士を目指してほしい」(同機構)
 そりゃそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080705-00000005-gen-ent