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2008年07月05日(土) 10時01分

仰天!証券界1バレル=400ドル浮上で疑心暗鬼日刊ゲンダイ

「1バレル=400ドルになるかもしれない」
 証券界で今、こんな仰天話がささやかれていることをご存じか。
 原油価格が140ドル台になり、この先も高騰が続くかもしれないとはいえ、こんなベラボーな価格は荒唐無稽(むけい)としか思えない。いったい、情報源はどこか。
 調べてみると、7月1日付の「日本証券新聞」が「400ドル説も浮上」と流していた。同紙によれば、26日のOPEC(石油輸出国機構)のヘリル議長発言がもとになっているようだ。
〈イスラエルのイラン空爆により、イランがホルムズ海峡を封鎖〉
 この“悪夢のシナリオ”が生じた場合、「400ドル以上」となる可能性を示唆したというものだ。同紙は投資家が読む情報紙だから、証券界が関心を持つのは不思議ではない。問題の400ドル説の根拠は、イスラエルがイランを攻撃することにある。では、その可能性はどの程度あるのか。
 5月下旬に米ワシントンを訪れ、政府・金融関係機関を回った証券大手のベテランアナリストが興味深い話をした。
「米国はイラン空爆を準備していると聞きました。さらに、イスラエルは5月に大規模軍事演習をやった。その目的は周辺国への脅しだったようです。イスラエルが、イランやシリアをにらんでいることは確かでしょう」
 実際にイスラエルの軍事活動は活発になっている。NYタイムズ紙(インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙6月21、22日付に掲載)が、〈6月第1週にイスラエルから約1500キロ離れた地中海で100機を超すF15、F16戦闘機が大規模な演習を実施。空中給油付きのヘリコプターも参加した〉と伝えている。1500キロは、まさにイスラエルからイランの核施設があるとされるナタンズまでの距離と同じ。中東の緊張感が高まっている様子がうかがえる。
 米国事情に詳しい国際ジャーナリストが言う。
「米国内には“イラン空爆は08年10月”という見方もあるようです。とはいえ、大統領選を前に国民を巻き込む戦争など始めるものだろうか。さらなる原油高を狙った情報操作の可能性が十分にある。タメにする面を差し引いて考えるべきです」
 400ドル説の真相は藪(やぶ)の中。庶民は踊らされて得することは何もない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080705-00000011-gen-ent