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2008年07月05日(土) 10時01分

田中義剛 生キャラメルビジネス年商40億円日刊ゲンダイ

 タレントの田中義剛(50)といえば、今や知る人ぞ知る実業家だ。北海道十勝管内にある「花畑牧場」の経営者として、生キャラメルやカチョカヴァロ(チーズ)、いももち(ジャガイモ団子)などの手作りオリジナル商品でヒットを連発。生キャラメルは、新千歳空港の土産物売り場でも通販サイトでも、すぐ売り切れてしまう。35歳のときにスタートした花畑牧場は、ナント年商40億円である。
 こうなると、タレントの副業の域を越えているが、実際、田中の成功談の裏には、ビジネスのヒントがある。「田中義剛の足し算経営革命」(ソニー・マガジンズ新書)なるビジネス書まで出しているのだ。

●足し算経営がブランドを作る
 田中に成功の秘訣を聞いてみた。
「第一に、『少なく作って高く売れ』です。今、消費者は大企業には出せない手作りの安心感を求めている。薄利多売の時代ではないんです。次に大切なのは、『足し算をして売値を決めろ』です。最初に確保したい利益を決めて、それにマージンやコストを足していく。スーパーのように初めに売値ありきだと、どうしても品質を落とさざるを得ないのです。この方法だと売値は割高になりますが、それでも売れるプレミア感を出すのです。3つ目は、『売る場所を考えろ』です。スーパーなどの量販店では、プレミア感は出せません。お客さんがありがたがって、お金を落としてくれる場所を選んで売るのです」
 花畑牧場では、3つの原則を肝に銘じた結果、食品偽装をモノともしないばかりか、追い風にした。
「産地偽装や使い回しは、利益率が低いから起こる。廃棄率が上がると利益がどんどん少なくなるので、『もったいないから使っちゃえ』となるのです。ロスはある程度覚悟して、利益率に廃棄分も含んでおく。こうすれば売れ残ってもアタフタしないし、ブランドイメージが保てるのです」
 10年間、赤字で苦しんだだけのことはある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080705-00000012-gen-ent