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2008年07月04日(金) 21時37分

<新潟強制連行>原告敗訴が確定 最高裁、上告棄却毎日新聞

 第二次世界大戦中に強制連行され、新潟市で港湾労働を強いられた中国人の元労働者と遺族ら計28人が、国と同市の港湾運送会社「リンコーコーポレーション」に賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)は4日、原告側の上告を棄却する決定を出した。原告逆転敗訴とした2審・東京高裁判決(07年3月)が確定した。

 1審・新潟地裁は04年3月、「極めて劣悪な環境下で生活させ、危険な労務をさせた」として、会社と国に計8800万円の賠償を命じた。2審は強制連行の事実を認めたものの、「戦前の不法行為について国に責任はなく、会社への賠償請求権は時効(10年)で消滅した」と請求を棄却した。

 戦後補償訴訟を巡っては、最高裁が07年4月、「72年の日中共同声明により中国国民は賠償請求できなくなった」との判断を示している。【北村和巳】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080704-00000145-mai-soci