記事登録
2008年07月04日(金) 12時01分

野田市リサイクルセンター:2回目入札も不調 10年稼働は厳しい情勢に /千葉毎日新聞

 野田市が計画しているリサイクルセンター(不燃物処理施設)の新設事業の請負業者を決める選定委員会(委員長・出口浩東京理科大教授)が3日、同市保健センターであり、6月18日に実施された入札結果が報告された。建設会社など5社で構成する1グループが応札したが、入札価格(非公表)が予定価格(同)をオーバー、昨年12月の1回目に続いて不調となった。センターは10年3月をめどに稼働停止となる現在の不燃物処理施設の代替施設。予定していた同年4月からの稼働は厳しい情勢で、市は新たな対応を迫られそうだ。【橋本利昭】
 センターの建設は、民間の資金や経営ノウハウを生かすPFI方式を採用。用地選定から地権者の同意取り付けも業者に任せ、建設、運営、維持管理をすべて民間に委託する県内初の取り組みだった。事業は約5000平方メートルの土地に、磁力で金属を選別する磁選機、破袋機、プラスチックを集める梱包(こんぽう)機などを設置。年間約6600トンの不燃ごみを資源とそれ以外のごみに分別する。市は建設とその後15年間の運営費を含めた全体の事業費を約47億円と見込み、「PFI方式だと2%程度の経費削減が可能」と試算している。
 現在稼働中の不燃物処理施設(同市三ツ堀)については、近隣住民が03年、市を相手取り、千葉地裁松戸支部に稼働停止を求める訴訟を起こし、10年3月に稼働停止することで和解が成立。市は同年4月のセンターの稼働を目指している。
 入札は昨年12月にもあり、1グループのみ応札したが、提案用地に使用制限があり不調に終わった。今回の入札は2回目で、プラントメーカー、建設会社、銀行などの5社で構成するグループが応札したが失格に。
 市は、センターの工期は2年程度かかるとみており、予定した10年4月の稼働は厳しい状況。斉藤隆昌副市長は「相当タイトな状況。今回の入札の結果を踏まえ、8月中にもPFIにこだわらず施設整備の方向を出し、間に合わなかった場合の期間のごみ処理の対応も考えたい。このような結果となった原因を明確にし、早急に結論を出したい」と話している。

7月4日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080704-00000028-mailo-l12