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2008年07月04日(金) 09時02分

間違い承知で納税通知 飯塚市が3000人分 一部徴収 「人手不足で作業遅れ」西日本新聞

 福岡県飯塚市が、所得税の確定申告をした約3000人に、申告実績が反映されていない市県民税と国民健康保険税の納税通知書を送り、一部徴収していたことが3日、分かった。市によると「人員不足で課税システムへのデータ入力が間に合わなかった」が誤記の理由。税額の間違いを承知の「見切り発送」だったが、おわびや説明の文書は同封していなかった。課税額が極端に低かったり、税が控除されなかったりしたケースもあり、同市は「今後の徴収で調整する」としている。

 同市課税課によると、納税通知書は各地の税務署から届いた確定申告書を基に、課税システムに所得や控除額を入力して作成する。例年6月末から徴収が始まるため、5月中旬に入力を終え、6月初めに納税通知書を発送している。今年は期限内に確定申告した約1万3000人分のうち、約3000人分を処理できず、未申告の状態のまま通知書を発送した。

 市は既に、修正した市県民税の通知書を発送。国保税は今後、正しい税額の通知書とおわびの文書を送付するという。

 西日本新聞の取材に対して、市は「行革で担当者を削減し、作業が追いつかなかった」と釈明。「市民に迷惑をかけて申し訳ない。入力人員を再検討する」としている。しかし、未申告扱いされた市民からは「市のミスなのに対応が不親切。いち早く説明すべきだ」と苦情が出ている。

=2008/07/04付 西日本新聞朝刊=

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080704-00000013-nnp-soci