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2008年07月04日(金) 12時56分

有料の花火大会は盛り上がるか!?オーマイニュース

 私の地元は、山口県周南市です。この周南市は4つの町が統合して丸5年になります。その記念行事の1つとして、「徳山港海上花火大会」が行われます。ところが、今回は事実上、有料で行われることになりました。その理由は、花火大会の場所にあるんです。

 2001年までは競艇場、翌年から2006年までは市の野球場を使って行われていた徳山地区での花火大会は、さまざまな市側の事情で昨年、なぜか行われませんでした。

 新南陽地区で8月に行われている「サンフェスタしんなんよう」でも花火は打ち上げられますが、今年は徳山に花火大会が帰ってきます。

 7月1日付の市の広報によると、徳山港花火大会の本番は8月16日の夜で、見物しようと思う人は3歳未満でない限り、500円の開催協力券を払う必要があります。

 当日は午後8時20分から9時10分の間、徳山港にある晴海(はるみ)ふ頭の900メートル沖から打ち上がる花火を、晴海ふ頭と親水公園に合わせて1万 5000人分特設される観客席で見ることになります。ちなみに、実際どれだけ花火が上がるかは、「地元企業や団体が払う協賛金次第」とのことです。

 主催者側は今後も開催を続け、将来的に無料で見てもらえるようにすると地元メディアに語っていますが、だとすればなぜ料金を取るのかとお思いでしょうか? 私なりに主催者の考えを読み解けば、「協賛金や市の補助金だけでは派手な花火は打ち上げられないだろう。見物客にも負担を求めよう」ということなのかもしれません。

 今回の花火大会の最大の問題は、徳山港が開催地に選ばれたことでした。徳山港は、新幹線が止まる徳山駅や繁華街にも近く、普段は回天記念館のある大津島や、大分県の国東半島へ向かうフェリーの発着点にもなっています。

 徳山港は周南石油化学コンビナートに挟まれる形で立地しています。近くの徳山駅を中心にすると、東に出光興産や日本ゼオンに日本化学工業、西にはトクヤマ、東ソー、日新製鋼の工場が広がっています。

 これらの工場の多くは24時間稼働しているため、生産は止められません。また化学製品を作っていることが多く、原料となる危険物が大量に置かれていることになります。万が一、花火がコンビナートに入り込み、プラントや危険物に引火した場合、火災や爆発といった大事故になる恐れがあります。35年前の7月7 日には、出光興産でエチレン装置が爆発する大事故が起き、1人が死亡しています。ですから、そうした事故が起きないよう、花火は港の沖に浮かぶ小さな島の近くの海上から打ち上がるというわけです。

 当日の花火は、港だけではなく多くの場所から見ることができることでしょう。ただ、会場へは電車やバスでお出掛けになることをお勧めします。

(記者:河村 崇)

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