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2008年07月04日(金) 10時24分

川崎元厚労相ら徹底抗戦 九段宿舎“籠城” 「建て替え、税金の無駄遣い」産経新聞

 衆院九段議員宿舎(東京都千代田区、125戸)の建て替えをめぐり、川崎二郎元厚労相ら与野党議員3人が衆院赤坂議員宿舎(東京都港区、300戸)への転居を拒み「籠城(ろうじょう)」を続けている。笹川堯衆院議運委員長は「1人でも居座れば1カ月あたり約250万円の光熱水費がかさむ」と転居を促すが、川崎氏は「九段宿舎の耐震補強工事をすれば継続使用は可能だ。建て替えこそ税金の無駄遣い」と8月末の宿舎閉鎖まで徹底抗戦する構えだ。

 九段宿舎は昭和48年に竣工(しゅんこう)したが、現在の建築基準法の耐震基準を満たさないため、当初計画では約4億3000万円をかけ、今年度から補強工事に取りかかる予定だった。

 ところが昨秋に衆院議運委員長に就任した笹川氏は「補強工事をしても10年後には耐用年数を迎え、逆にムダ遣い」として計画を撤回。参院清水谷宿舎の建て替えに石原慎太郎東京都知事が難色を示したこともあり、九段宿舎を取り壊し、跡地に衆参合同宿舎を建設するプランを打ち出した。これに伴い、衆院は今年度の九段宿舎の補強予算を返上。来年度予算の概算要求では現宿舎の解体費用5億円を計上する。

 これに16〜17年に衆院議運委員長を務め、当初計画にかかわった川崎氏が「計画変更の経緯が不透明だ。『新築ありき』では納得できない」と猛反発。尾身幸次前財務相も「築後30年で建て替える民間マンションはない」と同調した。

 これに対し、衆院議運委理事会は6月19日、赤坂宿舎への転居申し込みを6月末で打ち切り、8月末には九段宿舎の電気・水道を止め閉鎖する方針を決定。この強硬姿勢を受けて抵抗していた与野党議員は次々に退去し、籠城組は川崎氏、尾身幸次前財務相、民主党の市村浩一郎衆院議員の3人となってしまった。

 それでも川崎氏は「一度閉鎖されたら新築計画は一気に進む。建て替え計画は次期総選挙後に、宿舎利用希望者数を見定めてからでも遅くない」として、今後も宿舎問題を追及していく考えだという。

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