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2008年07月04日(金) 21時27分

<遠洋マグロ>2年間部分休漁 2〜3カ月、最高380隻毎日新聞

 遠洋マグロ漁業団体で国内最大の「日本かつお・まぐろ漁業協同組合(日かつ漁協)」は4日、8月1日から2年間の部分休漁に踏み切ることを決めた。燃料代の高騰やマグロ資源の減少が理由で、期間中は同漁協からの供給量は「1割程度減る」との見通し。マグロの値上がりは必至で、食卓にも影響が出そうだ。

 日本の遠洋マグロ漁船は約380隻。日かつ漁協にはこのうち233隻が所属しているが、1年目に100隻、2年目に133隻が2〜3カ月間の休漁を実施する。他の団体にも協調を呼びかけており、380隻すべてが休漁する可能性もある。

 遠洋マグロは冷凍品として流通しており、年間の水揚げ量は10万トン程度。台湾や韓国、中国など世界各地からの輸入品も合わせた国内のマグロ供給量の約2割を占めている。比較的価格の安いメバチマグロやキハダマグロの割合が多い。

 日かつ漁協は「我々もコスト削減に努めているが、現在の燃料高は限界を越えている。休漁でマグロの価格にも影響が出るだろうが、消費者や流通業界にも負担をお願いしたい」と話している。

 マグロを巡っては日本、中国、韓国、台湾の4カ国・地域が協調して休漁することで合意しており、今回の決定もその一環。日本の最大の輸入先である台湾では、既に約200隻が今春から順次、休漁に入っているほか、中国も約40隻、韓国も約20隻以上が休漁中。輸入マグロも供給減が続きそうだ。

 また、燃料高に悩む日本の漁業界では、ほぼ全魚種をカバーする全国漁業協同組合連合会(全漁連)や大日本水産会など16の漁業団体が今月15日に別途、一斉休漁を予定している。日かつ漁協などに所属する遠洋マグロ船も同日は水揚げを停止する。【行友弥、森禎行】

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