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2008年07月04日(金) 10時35分

渡航直前、保有株を売却 黒岩会長の逃走資金確保か中国新聞

 投資会社ワールドオーシャンファーム(東京、破産手続き中)によるエビ養殖投資詐欺事件で、同社会長黒岩勇くろいわ・いさむ容疑者(59)が他人名義の旅券でフィリピンに渡航する直前の昨年五月、同社が保有する大量の株券を約二億円で売却していたことが四日、警視庁などの合同捜査本部の調べで分かった。

 合同捜査本部は、同社は当時、破たん状態にあり、黒岩容疑者が逃走資金を確保しようとした疑いがあるとみて使途を調べている。同本部は四日、黒岩容疑者らを送検した。

 調べなどによると、ワールド社は二〇〇六年四月以降、新宿区に本社を置く東証一部上場の事務機器メーカーの株を購入。〇七年三月時点で約五百六万株を保有する第六位の大株主だったが、同年五月中旬、全株を約二億円で売却した。

 黒岩容疑者は同年五月二十一日、自分の顔写真を張った他人名義の旅券を取得し、二十六日にフィリピンに渡航。ワールド社は二十八日付で、出資者に破たん状態にあることを文書で通知した。

 黒岩容疑者は十二月に帰国し、凍結手続き中の銀行口座の残高照会をしようとしたため通報され逮捕。今年五月に旅券法違反の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200807040203.html