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2008年07月03日(木) 16時24分

100億円超の使途捜査 エビ養殖投資詐欺中国新聞

 投資会社ワールドオーシャンファーム(東京、破産手続き中)のエビ養殖投資詐欺事件で同社が集めたとされる約八百四十九億円のうち、約七百四十四億円は出資者に還元されていたことが三日、警視庁などの合同捜査本部の調べで分かった。

 同本部は、残る百億円を超える投資金の使途解明を急ぐ。同本部は三日までに、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で新たに同社幹部ら七人を逮捕、逮捕者は計十七人となった。逮捕状を取っている残る一人の行方を追っている。

 また、同社は出資者への配当を停止した二〇〇七年一月の直前、期間限定のキャンペーンと称して集中的に投資金を集めていたことも判明。同社会長の黒岩勇くろいわ・いさむ容疑者(59)らが投資金を配当に回す自転車操業が破たんする前に、できるだけ資金を集めようとしていたとみて調べている。

 同本部によると、同社には出資者を紹介すると手数料が支払われる仕組みがあり、約七百四十四億円のうち約三百十五億円は手数料や配当として、約四百二十九億円は元金として出資者に支払われていた。

 関係者によると、同社は〇六年十二月十八日から翌年一月五日にかけて、通常の手数料に投資額の3%を上乗せして支払うキャンペーンを実施。手数料は一月二十四日に一括して支払うとした。

 しかし同社はすべての出資者の募集を一月十日で締め切り、キャンペーンを含め配当や手数料は七月に一括して支払うと一方的に通知。「取引について税務署の指摘があった」と説明したが、その後同社は破たんし七月になっても支払われなかった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200807030277.html