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2008年07月03日(木) 08時26分

FX業者、半数以上に問題 業界に構造的欠陥 証券監視委の重点検査結果フジサンケイ ビジネスアイ

 証券取引等監視委員会は2日、昨年8月以降の為替相場の動揺を受けて続けてきた外国為替証拠金取引(FX)業者の重点検査結果の概要を発表した。検査した業者の半数以上の39社に問題があることがわかった。証券監視委では「相当数の業者で、程度の差はあれ法令違反などが認められた」としており、業界としての未熟さ、制度上の不十分さが浮き彫りになったといえそうだ。

 証券監視委は6月末までに国内FX業者のほぼ6割に当たる73社の立ち入り検査に着手。このうち、金融庁へ行政処分を求める勧告が7社、勧告に至らないものの、問題のあった業者は32社に達した。

 このため、監視委では引き続き検査を進めるとともに、投資家に対しても「高レバレッジ(証拠金)の特性を理解し、各社の商品性や業者に対する情報収集に努めてほしい」などとして、業者選びを慎重に判断するよう呼びかけている。

 昨夏の米国のサブプライム(高金利型)ローン問題表面化以降の為替相場の乱高下などで、FX業者の破綻(はたん)が相次いだことから、証券監視委は昨年11月以降、約半年にわたり重点検査をおこなってきた。重点検査の73社に加え、2005〜06年に検査を行った分もあわせ116件を実施しており、国内FX業者への検査はほぼ一巡した。

 今回の重点検査では、顧客からの預託金と会社の財産の区分管理体制や、自己資本の算出、リスク管理体制などの面で、多くの業者で問題が見つかっており、FX業界の構造的な問題とみられる。

 特に、勧告された7社では、重大な問題点が見つかった。中には、顧客の脱税行為の手助けや、債務超過など、顧客に大きく影響する問題のあった社もあり、金融庁は3社に業務停止、1社に登録取り消しと厳しい処分を出している。

 また、この間に検査以外でも、日本ファースト証券の金融庁による破産申し立てや、金融庁からの行政処分にいたった事例もあった。

 証券監視委では、今回の検査を通じて、(1)自動損切り(ロスカットルール)の適切な機能、(2)区分管理の徹底、(3)法令順守意識−の確立がきわめて重要と指摘。今後も厳しく監視していく姿勢を示している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080703-00000005-fsi-bus_all