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2008年07月02日(水) 12時24分

最新介護福祉機器、「介助」から「機能回復」へ!オーマイニュース

 最近の介護福祉機器の進歩には目を見張るものがあります。単に「使う」から、機器や装置を利用して「治す」へと大きく変化してきました。その証拠に町中の介護用品展示コーナーをのぞくと、実にさまざまな製品を目にすることができます。介護から機能回復へと、利用者側に立った利便性の高い製品が続々と生まれています。

 最新の介護福祉関連機器などを一堂に展示する「ヨコハマ・ヒューマン&テクノランド2008」が横浜パシフィコで6月26日(木)から3日間開催されました。

 7回目となる今年の特別企画は「スポーツ&ヘルシーライフ」がメインテーマで、介護福祉機器を単に使いこなすのではなく、「体を動かすことで筋肉を衰えさせない」ための最先端の介護福祉機器が出展され、注目を浴びました。受動形から能動形へと変化しています。

■(1)車いすとベッド

 最近の車いすは格段に使いやすく高機能になりました。自在に方向転換できるとか、長時間乗っていても疲れない、突然の事態にも対応できる駆動装置など数え上げればきりがないほどです。コンビニエンスであればあるほど利用頻度が増し、利用者の機能回復を後押ししてくれます。ベッドも同様で可能な限り、自助努力で筋力の維持や回復を図る工夫がなされています。

■(2)自立動作支援用ロボット

 下肢や腕などに障害のある方や高齢者の介護予防のためのロボットで、筋力向上トレーニングロボットをはじめ、各種の支援ロボットが開発されています。いずれもロボットの支援を受けることでリハビリ訓練の助けをするものです。人間支援型ロボットの実用化は、独立行政法人産業技術総合研究所がプロジェクトを組み、リハビリ・自立動作・介護動作の支援ロボットの開発を行っています。

■(3)介護福祉自動車

 最新の介護福祉自動車で、車いすごと乗れるシートレイアウト・電動ウインチ・スロープ・足元照明・フラットフロア・車いす3点式シートベルトなど、乗る側の身に立った仕様になっており、車で外出しやすいさまざまな工夫がなされています。車いす生活というと暗いイメージがありますが、車いすごと目的地に着いてらくらく降車できれば、外出する機会が格段に増えること間違いありません。精神的な機能回復にもつながります。

■(4)他動性トレーニングマシン

 トレーニングマシンが自動で動き、障害者や高齢者はその動きに合わせてトレーニングができ、体への負荷はゼロという優れものです。寝たきりにならないために、機械の助けを借りていつまでも筋力を維持しようとするものです。関節可動域の拡大、姿勢保持筋のバランス調整力、血液循環の促進、筋力の向上などが期待できるそうです。

 特設コーナーで行われた「片手キッチンスタジアム」では、2人の作業療法士による片手で料理を作る実演が行われました。文字通り、片手だけで料理を作るもので肉料理や野菜料理を手際よく作っていました。

 これも機能回復訓練の一環で、半身不随となっても料理を作ることでQOLを取り戻そうとするものです。

 介護福祉用品は誰しもがいつかお世話になる可能性が高いものです。今、その用向きがない人でも、最新の介護福祉機器を知るのはとても意味のあることです。いずれわが身と考えれば無関心ではいられません。

(記者:宮本 聰)

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