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2008年07月02日(水) 19時30分

エビ養殖詐欺で投資会社会長ら10人逮捕…4万人から650億集金スポーツ報知

 投資会社ワールドオーシャンファーム(東京、破産手続き中)によるエビ養殖投資詐欺事件で、警視庁などの合同捜査本部は2日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで、住所不定の同社会長黒岩勇容疑者(59)や同社幹部ら計10人を逮捕した。

 ほかに数人の逮捕状も取っており、近く逮捕する。黒岩容疑者は「だますつもりはなかった」と否認しているという。

 ワールド社は「フィリピンでのエビ養殖事業に投資すれば1年で倍になる」とうたい、配当金を約束し、全国約3万5000人から約849億円を集めたとされる。

 同社が「東京ドーム450個分(約2100ヘクタール)ある」と宣伝していたフィリピンの池は、実際には32分の1の約65ヘクタールしかないことも合同捜査本部の調べで判明。営業許可が出た2006年の収益は約6万5000円、魚だけでエビは含まれていなかった。07年8月には許可期限が切れていた。

 合同捜査本部は、エビ養殖の実体はなく、集めた金を配当に直接回していたと判断。巨額詐欺商法の全容解明を進める。

 調べでは、黒岩容疑者らは07年2月から同5月にかけ、鹿児島県の男性(64)ら30人に約1億2000万円を振り込ませ、組織的にだまし取った疑い。

 ワールド社をめぐっては昨年2月、国内から米国の銀行口座に約4000万ドル(約48億円)を送金しており、合同捜査本部は投資金をマネーロンダリング(資金洗浄)しようとした組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)の疑いでも捜査する方針。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080702-OHT1T00175.htm