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2008年07月02日(水) 21時47分

投資会社会長ら10人逮捕 エビ養殖の投資詐欺容疑中国新聞

 投資会社ワールドオーシャンファーム(東京、破産手続き中)によるエビ養殖投資詐欺事件で、警視庁などの合同捜査本部は二日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで、住所不定の同社会長黒岩勇容疑者(59)や同社幹部ら計十人を逮捕した。

 ほかに数人の逮捕状も取っており、近く逮捕する。黒岩容疑者は「だますつもりはなかった」と否認しているという。

 ワールド社は「フィリピンでのエビ養殖事業に投資すれば一年で倍になる」とうたい、配当金を約束し、全国約三万五千人から約八百四十九億円を集めたとされる。

 同社が「東京ドーム四百五十個分(約二千百ヘクタール)ある」と宣伝していたフィリピンの池は、実際には三十二分の一の約六十五ヘクタールしかないことも合同捜査本部の調べで判明。営業許可が出た二○○六年の収益は約六万五千円、魚だけでエビは含まれていなかった。○七年八月には許可期限が切れていた。

 合同捜査本部は、エビ養殖の実体はなく、集めた金を配当に直接回していたと判断。巨額詐欺商法の全容解明を進める。

 調べでは、黒岩容疑者らは○七年二月から同五月にかけ、鹿児島県の男性(64)ら三十人に約一億二千万円を振り込ませ、組織的にだまし取った疑い。

 ワールド社をめぐっては昨年二月、国内から米国の銀行口座に約四千万ドル(約四十八億円)を送金しており、合同捜査本部は投資金をマネーロンダリング(資金洗浄)しようとした組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)の疑いでも捜査する方針。

 ワールド社は○一年設立。匿名組合を受け皿に一口十万円で投資を募ったが○七年一月から配当を停止。同七月に警視庁が詐欺容疑で役員宅などを家宅捜索していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200807020343.html