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2008年07月02日(水) 12時38分

シャープ、CO2排出削減で新制度導入Business Media 誠

 京都議定書後の枠組みが議論される北海道・洞爺湖サミット開催まで、残り1週間を切った。温暖化ガス削減の取り組みが世界的に強化される中、企業も環境保全へ向けて積極的に貢献することが求められている。

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 7月1日、シャープは「環境・社会報告書2008」を発表した。同社では、生産量当たりのCO2や廃棄物排出削減に成功するなどした工場を「スーパーグリーンファクトリー」と独自に認定しているが、2007年度に国内10工場すべてが「スーパーグリーンファクトリー」になったと報告した。2008年度からは第2段階として、CO2や廃棄物排出量を絶対量から削減することを評価基準に加えた「スーパーグリーンファクトリーII」制度を開始。2008年度以降、各工場でのCO2排出量を前年度比3%削減、廃棄物排出量を同6%削減していくことを目標とする。

●太陽光、液化天然ガス発電でCO2削減

 国内工場の中でも、いち早く2003年度にスーパーグリーンファクトリーに認定されたのが、三重県にある亀山工場(参照リンク)だ。電力使用に関しては、環境負荷の少ない太陽光エネルギーを積極的に採用。甲子園球場3つ分の広さ(4万7000平方メートル)の太陽光発電システムを工場の屋上や壁面に設置して、5150キロワットを発電している。また、LNG(液化天然ガス)を用いて発電、廃熱の2次利用も進めることで、火力発電でのエネルギー供給よりも年間で約7万6000トンのCO2排出量を削減することに成功した。発電だけではなく製造工程排水のリサイクルも進めており、1日に2万8300トン排出される水を100%回収し再び工程で使用、水資源の保全にも努めている。

 同社では、現在大阪府堺市に建設しているコンビナートについても、「亀山工場を超える究極の環境先進型工場を目指す」とコメント。同コンビナートでは、「メガソーラー発電計画(参照リンク)」として関西電力や堺市と共同で、世界最大級の太陽光発電設備の建設が進められている。

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