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2008年07月02日(水) 08時03分

エビ投資詐欺立件 会長ら15人超近く逮捕産経新聞

 エビ養殖事業に投資すれば高配当を得られるとして、多額の資金を集めた投資会社「ワールドオーシャンファーム」(東京都台東区)による詐欺事件で、警視庁生活経済課は1日、詐欺の疑いで黒岩勇会長(59)ら同社幹部と、積極的に会員を集めた幹部会員ら計15人以上を近く逮捕する方針を固めた。

 調べによると、黒岩会長らは「フィリピンにエビを育てる東京ドーム450個分の養殖場がある」「10日ごとに出資額の約0・05%を分配し、1年後には倍になって戻る」などと出資を募り、1口10万円で出資金をだまし取った疑い。出資者は4万人、被害総額は全国で650億円に達するとみられている。

 同社は平成13年7月に設立。昨年1月に事実上配当停止、同5月には「台風が養殖場を直撃した」などとして支払いの延期を通知するなど破綻(はたん)状態に陥った。同課は同7月に全国28カ所を詐欺容疑で家宅捜索。今年2月には捜査員をフィリピンに派遣していた。

 同課は、現地には整備されていない溜(た)め池しかなく養殖事業の実態はなかったと判断。詐欺と断定し、関係者の立件に踏み切る。積極的に新規会員の勧誘にあたった幹部会員らについても同容疑で立件する方針。

 黒岩会長は、知人名義のパスポートでフィリピンに出国したとして、旅券法違反と入管難民法違反で逮捕、起訴され、今年5月に懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年6月)の有罪判決を受けている。

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