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2008年07月02日(水) 13時26分

エビ養殖詐欺事件、黒岩会長を逮捕 幹部ら17人の逮捕状も産経新聞

 エビ養殖事業に投資すれば高配当を得られるとして、多額の資金を集めた投資会社「ワールドオーシャンファーム」(東京都台東区)による詐欺事件で、警視庁と兵庫県警などの合同捜査本部は2日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで同社会長、黒岩勇容疑者(59)を逮捕した。他に同社幹部ら17人の逮捕状も取っており、順次逮捕する方針。

 調べによると、黒岩容疑者はエビ養殖事業への投資を持ちかけ、出資者約30人から約1億2000万円をだまし取った疑い。

 同社は平成13年7月に設立。「フィリピンにエビを育てる東京ドーム450個分の養殖場がある」「10日ごとに出資額の約0.05%を分配し、1年後には倍になって戻る」などと、1口10万円で出資金を募り、全国4万人から650億円に達するとみられている。

 同社は、昨年1月に事実上配当を停止し、5月には「台風が養殖場を直撃した」などとして支払いの延期を通知するなど破綻(はたん)状態に陥っていた。警視庁では7月に全国28カ所を詐欺容疑で家宅捜索し、今年2月には捜査員をフィリピンに派遣していた。

 捜査本部は、現地には整備されていない溜池しかなく、養殖事業の実態はなかったと判断した。

 黒岩容疑者は、知人名義のパスポートでフィリピンに出国したとして、旅券法違反と入管難民法違反で逮捕・起訴され、今年5月に懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役3年6月)の有罪判決を受けていた。

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